ホームページを作るときに、意外と後回しにされがちなのが「誰に向けたホームページなのか」という問いです。ここが曖昧なまま作り始めると、載せる言葉も内容もぼんやりして、結局は誰の心にも残らないホームページになってしまいます。あらゆる人に向けて書こうとした結果、誰にも届かない——これはとてもよくある失敗です。
それを防ぐための考え方がペルソナです。ペルソナとは、自社の代表的な顧客像を一人の具体的な人物として描いたものを指します。私たち Techt は、ホームページを制作するとき、最初にこのペルソナ(誰に向けるか)から設計する立場をとっています。その現場の視点から、中小企業でも無理なく作れるペルソナの手順を、できるだけやさしい言葉で整理します。
先に結論
ペルソナとは、自社の代表的な顧客像を一人の具体的な人物として描いたものです。年齢・状況・悩み・行動まで肉付けして、まるで実在する一人のように決めます。こうしておくと、関わる人全員が同じ顔を思い浮かべられるので、ホームページの言葉・載せる内容・打ち手がぶれなくなります。さらに、その人が「どんな言葉で検索するか」も見えてくるため、検索される設計の出発点にもなります。
ペルソナとは
もう一度整理すると、ペルソナとは、自社の代表的な顧客像を一人の具体的な人物として描いたものです。たとえば「30代・共働き・小さな子どもがいて、平日は時間がない田中さん」のように、年齢や暮らし・悩みまで肉付けして、実在しそうな一人として描きます。
ここで大切なのは、ペルソナはあくまで架空の人物だということです。ただし、まったくの想像で作るのではなく、実際の既存顧客の実態をもとに作るのがコツです。いまよく来てくれているお客様や、満足してくれたお客様の顔を思い浮かべながら描くと、現実とずれない、ちゃんと役に立つペルソナになります。
ターゲットとの違い
ペルソナとよく似た言葉にターゲットがあります。ターゲットとは「30〜40代の女性」のような、属性のかたまり(条件で区切った範囲)のことです。これに対してペルソナは、そこから一段具体的にした一人の人物を指します。
ターゲットだけでも「どんな層に向けるか」の見当はつきますが、属性のかたまりのままだと打ち手がぼやけがちです。「30〜40代の女性」と言われても、その人が何に困っていて、ふだん何を見ていて、どんな言葉で探すのかまでは見えてきません。ペルソナがあると、「この人なら何に困り、何を見て、どう動くか」まで具体的に考えられるようになります。ターゲットで大まかな範囲を決め、ペルソナで具体的な打ち手まで考える、という使い分けです。
ペルソナの作り方(手順)
ペルソナづくりは、難しく考えなくても次の4つの手順で進められます。
- ①既存の顧客を観察する・思い出す:よく来てくれる人、満足してくれた人など、実際のお客様を起点にします。これがいちばんの材料です。
- ②項目を埋める:年齢・仕事・状況・悩み・情報の集め方といった項目を、ひとつずつ書き出していきます(項目の一覧は次の見出しで紹介します)。
- ③一人の人物像にまとめる:バラバラに集まった情報を、「こういう一人の人」というかたちにまとめます。名前を付けると、ぐっと具体的になります。
- ④チームで共有する:できあがった人物像を、社内や制作に関わる人と共有します。同じ顔を全員が思い浮かべられる状態にするのが目的です。
ここで気をつけたいのは、想像だけで作らないことです。実際の顧客や、これまでに来た問い合わせの内容をもとにすると、現実と地続きのペルソナになります。
ペルソナに入れる項目(テンプレート)
どんな項目を埋めればいいか迷ったら、次のテンプレートを使ってください。上から順に埋めていくと、人物像が自然と立ち上がってきます。
- 年齢・性別
- 仕事・家族構成
- いまの状況(どんな暮らし・働き方をしているか)
- 抱えている悩み・困りごと
- 情報の集め方(検索・SNS・知人からの紹介など)
- どんな言葉で探すか(実際に検索しそうな言葉)
- 何があれば行動するか(背中を押す決め手)
BtoB(企業向けのビジネス)の場合は、これに加えて役職・会社の規模・社内で物事を決める流れ(決裁の流れ)も入れると、より実態に近づきます。最初から全部を細かく埋める必要はありません。ホームページの言葉や内容を考えるのに役立つ範囲で十分です。
ペルソナが検索される設計につながる
ペルソナを作る効果は、言葉や内容がぶれなくなることだけではありません。ペルソナが決まると、その人が「どんな言葉で検索するか」が見えてくるのです。困りごとや状況がはっきりした一人の人物なら、「この人ならこう調べるだろう」と想像しやすくなります。
検索する言葉が見えれば、ホームページに載せるべきキーワードも定まります。つまりペルソナ作りは、キーワード選定や検索される設計(実際に検索される言葉から逆算してページを作る設計)の出発点になります。検索される言葉をどう選ぶかはSEOのキーワード選定とはで整理しています。
また、決めたペルソナに向けて言葉を磨いていく作業がコピーづくりです。一人に向けて語るほど言葉は具体的になります。その作り方はキャッチコピーの作り方で説明しています。逆に、向ける相手(ペルソナ)がずれていると、せっかくホームページがあっても問い合わせにつながりません。そのよくある原因はホームページがあるのに問い合わせが来ない理由で整理しています。
よくある失敗
ペルソナづくりには、つまずきやすいポイントがいくつかあります。代表的なものを挙げておきます。
- 願望で都合のいい人物を作ってしまう:「こういうお客様に来てほしい」という願望だけで作ると、実際の顧客とずれて使えません。実態をもとにするのが鉄則です。
- 細かく作りすぎて使われない:趣味や好きな食べ物まで作り込んでも、ホームページづくりに使わなければ意味がありません。使う範囲にとどめます。
- 作って終わりで共有されない:せっかく作っても、関わる人と共有されなければ言葉や内容はぶれてしまいます。チームで同じ顔を思い浮かべられて初めて意味があります。
実態ベースで、使う範囲で、チームで共有する——この3つを押さえれば、ペルソナはちゃんと役に立つ道具になります。
参考:Techtのやり方
私たち Techt は、ホームページ制作のいちばん最初に「誰に向けるか」をお客様と一緒に言語化します。実際の顧客や問い合わせをもとに一人の人物像を描き、そこからページ構成・言葉・検索される設計を組み立てていくという順番です。
この順番にこだわるのは、向ける相手が定まっていないと、どんなにきれいなホームページを作っても言葉が総花的になり、結局は誰にも残らないものになってしまうからです。先にペルソナを決めておけば、載せる内容も、その人が検索しそうな言葉も、自然と決まっていきます。ペルソナから設計するホームページ制作にご関心があれば、HP制作代行サービスのご案内をご覧ください。
よくある質問
ペルソナとは何ですか?
ペルソナとは、自社の代表的な顧客像を一人の具体的な人物として描いたもののことです。「30代・共働きで時間がない田中さん」のように、年齢・仕事・いまの状況・抱えている悩み・どんな行動をとるかまで肉付けして、まるで実在する一人のように描きます。架空の人物ではありますが、想像だけで作るのではなく、実際の既存顧客の実態をもとに作るのがポイントです。ペルソナを決めておくと、関わる人全員が同じ顔を思い浮かべられるので、ホームページの言葉・載せる内容・打ち手がぶれにくくなります。私たち Techt は、ホームページを制作するときも最初にこのペルソナ(誰に向けるか)から設計しています。
ペルソナとターゲットの違いは何ですか?
ターゲットは「30〜40代の女性」のような属性のかたまりを指す言葉で、ペルソナはそこから一段具体的にした一人の人物を指します。ターゲットは範囲を示すには便利ですが、属性だけだと「この人が何に困り、何を見て、どんな言葉で探すのか」までは見えてきません。そこをひとりの人物として肉付けしたものがペルソナです。たとえばターゲットが「30〜40代の女性」だとすると、ペルソナは「30代・共働き・小さな子どもがいて、平日は時間がなく、夜にスマホで情報を集める田中さん」のようになります。ターゲットで大まかな範囲を決め、ペルソナで具体的な打ち手まで考えられるようにする、という使い分けです。
ペルソナはどう作ればいいですか?
おすすめの手順は4ステップです。まず、よく来てくれる人や満足してくれた人など、実際の既存顧客を観察したり思い出したりします。次に、年齢・仕事・状況・悩み・情報の集め方といった項目をひとつずつ埋めていきます。そして、バラバラに集まった情報を「こういう一人の人物」というかたちにまとめます。最後に、その人物像をチーム(社内や制作に関わる人)で共有します。大事なのは、自分たちの想像や願望だけで作らないことです。実際の顧客や問い合わせの内容をもとにすると、現実とずれないペルソナになります。
ペルソナにはどんな項目を入れますか?
基本の項目は、年齢・性別、仕事や家族構成、いまの状況、抱えている悩みや困りごと、情報の集め方(検索・SNS・知人など)、どんな言葉で探すか、何があれば行動するか、です。これらを埋めていくと、その人の人物像がだんだん立ち上がってきます。BtoB(企業向けのビジネス)の場合は、これに加えて役職、会社の規模、社内で物事を決める流れ(決裁の流れ)なども入れると、より実態に近いペルソナになります。最初から細かく作り込む必要はなく、ホームページの言葉や内容を考えるのに役立つ範囲で埋めれば十分です。
ペルソナを作るとどんないいことがありますか?
いちばん大きいのは、関わる人全員が同じ顧客像を思い浮かべられるので、言葉・載せる内容・打ち手がぶれなくなることです。「誰に向けたホームページか」が定まっていないと、説明が総花的になって誰にも届かないものになりがちですが、ペルソナがあると一人に向けて具体的に語れます。さらに、その人が「どんな言葉で検索するか」も見えてきます。検索する言葉が見えれば、ホームページに載せるべきキーワードも定まり、検索される設計(実際に検索される言葉から逆算してページを作る設計)の出発点になります。ペルソナづくりは、コピーづくりにも SEO にもつながる土台です。
まとめ
- ペルソナとは、自社の代表的な顧客像を一人の具体的な人物として描いたもの。年齢・状況・悩み・行動まで肉付けする
- ターゲット(属性のかたまり)より一段具体的な一人。だから打ち手まで考えられる
- 願望でなく実態ベースで作るのが鉄則。既存顧客や問い合わせを起点にする
- 項目テンプレ(年齢・仕事・状況・悩み・情報源・探す言葉・行動の決め手)に沿って埋め、一人にまとめてチームで共有する
- ペルソナが決まると検索する言葉も見える。キーワード選定・検索される設計の出発点になる
ペルソナは、特別なツールがなくても、実際のお客様を思い浮かべるところから作れます。「誰に向けるか」を先に決めておくだけで、ホームページの言葉も内容も、ぐっと届きやすくなります。自社のペルソナをどう描けばいいか、そこからどんなホームページにすればいいか迷ったら、まずは無料相談で、貴社に合う進め方を一緒に整理するところから始めてみてください。
