ホームページのトップ、チラシの一行目、サービスの見出し——いざ「キャッチコピーを書こう」とすると、「うまい言葉が思いつかない」「センスがないからできない」と手が止まってしまう方は少なくありません。けれども、伝わるキャッチコピーは、特別な才能や言葉のセンスよりも、「型」と「手順」でかなりの部分をカバーできます。

私たち Techt は、ホームページやランディングページ(特定の目的に向けて作る1枚もののページ。以下 LP)のコピーを設計する立場から、日々お客様の言葉を整理しています。この記事では、その現場の視点で、伝わるキャッチコピーの作り方を、できるだけ難しい言葉を避けて整理します。

先に結論

キャッチコピーとは「気の利いた言葉」ではなく、誰に・何が得られるかを一目で伝える言葉です。出発点は、自分が言いたいことではなく、相手が知りたいこと。作る順番は、①誰に向けるかを決める ②その人のベネフィット(得られる変化)を具体化する ③ぜい肉を削って短く言い切る。この3ステップに沿えば、思いつきに頼らず、伝わるコピーにたどり着けます。

キャッチコピーとは(役割)

キャッチコピーの役割は、読み手が数秒で「これは自分向けか」「自分に何が得られるか」を判断する入口になることです。人は、自分に関係がある・自分に得があると感じて初めて、その先を読み進めます。

だからこそ、ここで覚えておきたいのは、中身がどれだけ良くても、入口で伝わらなければ読まれないということです。商品やサービスがどんなに優れていても、最初の一行で「自分には関係ない」と思われれば、その良さは届きません。キャッチコピーは、本文を読んでもらうための「最初の関門」だと考えると分かりやすいです。

伝わるキャッチコピーを作る3ステップ

伝わるキャッチコピーは、次の3ステップで組み立てます。順番が大事で、いきなり「うまい言葉」を探さないのがコツです。

手順は①誰に向けるか → ②ベネフィットを具体化 → ③短く言い切る。この順で「材料を集めてから削る」と覚えておくと、書き出しで迷いません。

  • ① 誰に向けるかを決める:まず、届けたい相手(ターゲット)をはっきりさせます。できれば、年齢・状況・悩みまで具体的に思い描いた一人の人物像=ペルソナ(その商品の典型的な顧客像)まで落とすと、言葉が選びやすくなります。たとえば「肌の悩みがある人」より「30代で、敏感肌でエステに通うのが不安な人」のほうが、その人に届く言葉を選べます。ペルソナの作り方はペルソナの作り方で整理しています。
  • ② その人のベネフィットを具体化するベネフィットとは、その商品やサービスを使うことで相手が得られる「変化」のことです。ここで大事なのは、機能(何ができるか)ではなく「あなたの何が変わるか」で書くこと。たとえば「保湿成分配合」は機能ですが、「乾燥で朝メイクが崩れる悩みから解放される」はベネフィットです。
  • ③ ぜい肉を削って短く言い切る:①と②で出した材料は、たいてい長く説明的になります。そこから、伝わる芯だけを残して短く言い切ります。たとえば「敏感肌の方でも安心して使える、低刺激で高保湿なスキンケアです」を、「敏感肌でも、もう乾燥でゆらがない。」のように削ります。一文で、誰に・何が得られるかが分かる形を目指します。

ビフォー/アフターの例

抽象的な自社目線のコピーを、相手目線で具体的なコピーに言い換えると、伝わり方が大きく変わります。実際の方向性として、いくつか対比で見てみます(あくまで考え方を示す例で、派手な数字は作っていません)。

  • エステ・サロン:「高品質な施術を提供します」→「初めてでも通いやすい、痛みの少ない◯◯」。自社の自己評価(高品質)から、相手の不安(初めてで怖い・痛そう)に答える言葉へ。
  • 士業・専門サービス:「丁寧な対応を心がけています」→「専門用語ゼロで、何を準備すればいいかが分かる相談」。心がけ(自社の姿勢)から、相手が得られる状態(迷わず準備できる)へ。
  • 飲食店:「こだわりの素材を使用」→「仕事帰りに、ひとりでも気兼ねなく寄れる一杯」。作り手のこだわりから、来る人のシーン(ひとりでも入りやすい)へ。

いずれも、変えているのは「自社が言いたいこと」から「相手が得られること」へ視点を移しただけです。難しい言葉も派手な表現も使っていませんが、誰に・何が得られるかが一目で分かるようになります。

よくある失敗

伝わらないキャッチコピーには、共通したパターンがあります。書いたあとに、次に当てはまっていないか見直すと安心です。

  • 抽象的できれいなだけ:「最高の体験を」など、響きは良いが何のことか分からない
  • 専門用語が多い:業界の人にしか伝わらない言葉で、読み手が置いていかれる
  • 自社が言いたいことばかり:相手目線でなく、自社の自慢やこだわりに終始している
  • 長すぎる:一文で言い切れず、結局どこが要点か分からない
  • 誰にでも当てはまり、誰にも届かない:対象を広げすぎて、自分ごとに感じてもらえない

ホームページでのキャッチコピー

ホームページのトップに置くキャッチコピーは、サイト全体の第一印象を決める言葉です。訪れた人が、最初の数秒で「自分向けかどうか」を判断します。

基準はシンプルで、5秒ほどで「誰向け・何が得られる・なぜここか」が伝わるか。見た目のおしゃれさよりも、中身の言葉が伝わるかが先です。デザインの整え方はおしゃれなホームページの作り方で扱っていますが、見た目を整える前に、まず言葉が伝わっているかを確かめてください。

「ホームページはあるのに問い合わせが来ない」という場合、その原因がデザインではなくトップのコピーにあることも少なくありません。詳しくはHPあるのに問い合わせが来ない理由で整理しています。商品やサービスを1枚で売る LP のコピーやデザインは、ランディングページのデザインも参考にしてください。

参考:Techtのやり方

私たち Techt は、キャッチコピーを「センス」で生み出すものではなく、「誰に・何を・どう言い換えるか」の設計として組み立てています。だから、コピーづくりの最初の作業は、ひねり出すことではなく集めることです。

  • 顧客が普段使う言葉を集める:お客様への質問や口コミ、相談の言い回しから、相手が実際に使っている言葉を拾います。作り手の言葉ではなく、読み手の言葉を起点にします。
  • ベネフィットに翻訳する:集めた言葉と商品の特徴を、「相手の何が変わるか」に言い換えます。機能の説明を、得られる変化の言葉に翻訳していきます。
  • 短く言い切る:最後に、伝わる芯だけを残して一文に削ります。誰に・何が得られるかが一目で分かる形を目指します。

「自社の良さをどう言葉にすればいいか分からない」「トップのコピーを見直したい」という方は、HP制作代行サービスのご案内をご覧ください。言葉の設計から、ホームページ・LP の制作までをお手伝いしています。

よくある質問

キャッチコピーとは何ですか?

キャッチコピーとは、誰に向けて・何が得られるのかを一目で伝える短い言葉のことです。気の利いた表現や言葉遊びそのものが目的ではなく、読み手が数秒で「これは自分向けだ」「自分にこんな良いことがある」と分かることが役割です。ベネフィット(その商品やサービスを使うことで相手が得られる変化)を、相手が普段使う言葉で言い切るのが基本です。私たち Techt はホームページやランディングページのコピーを設計する立場から、キャッチコピーは才能やセンスより「誰に・何を・どう言い換えるか」の設計だと考えています。

キャッチコピーはどう作ればいいですか?

おすすめは、①誰に向けるかを決める②その人のベネフィット(得られる変化)を具体化する③ぜい肉を削って短く言い切る、という順番です。最初に「誰に届けたいか」をはっきりさせ、次にその人が得られる変化を「機能」ではなく「あなたの何が変わるか」で書き出します。最後に、伝わる芯だけを残して短く言い切ります。出発点を「自分が言いたいこと」ではなく「相手が知りたいこと」に置くのがコツです。この順で作ると、思いつきに頼らず、伝わるコピーにたどり着きやすくなります。

良いキャッチコピーと悪いキャッチコピーの違いは何ですか?

大きな違いは「相手目線で具体的か」「自社目線で抽象的か」です。良いキャッチコピーは、読み手が得られる変化を相手の言葉で具体的に書いていて、読んだ人が「自分のことだ」と分かります。一方、伝わりにくいキャッチコピーは、「高品質」「最高のサービス」のように自社が言いたいことを抽象的に並べていて、誰に何が得られるのかが見えません。きれいに整っていても、誰にでも当てはまる言葉は、結局だれにも届きません。相手が普段使う言葉に置き換えるほど、伝わるコピーになります。

ホームページのキャッチコピーで気をつけることは何ですか?

ホームページのトップに置くキャッチコピーは、第一印象を決める大事な言葉です。基準はシンプルで、訪れた人が5秒ほどで「誰向けのサイトか」「何が得られるか」「なぜここなのか」を理解できるかどうかです。見た目のおしゃれさよりも、中身の言葉が伝わるかが先です。専門用語を並べたり、自社の言いたいことばかりを書いたりすると、読み手は自分ごとと感じられず離れてしまいます。問い合わせが来ない原因が、デザインではなくこのトップのコピーにあることも少なくありません。

キャッチコピーが思いつきません。どうすればいいですか?

ゼロから「うまい言葉」をひねり出そうとすると行き詰まりやすいので、材料集めから始めるのがおすすめです。まず、お客様や見込み客が普段使っている言葉(よく聞かれる質問・口コミ・相談の言い回し)を集めます。次に、その人が得られるベネフィット(変化)を箇条書きで書き出します。そのうえで「◯◯な人へ」「◯◯でも◯◯できる」といった型に当てはめて言い換えると、形になっていきます。自分の頭の中だけで考えるのではなく、相手の言葉を出発点にすると、思いつきに頼らず行動につながるコピーを作れます。

まとめ

  • キャッチコピーとは「気の利いた言葉」ではなく、誰に・何が得られるかを一目で伝える言葉
  • 出発点は、自分が言いたいことではなく、相手が知りたいこと
  • 作る手順は、①誰に向けるか決める ②ベネフィット(得られる変化)を具体化する ③短く言い切る、の3ステップ
  • よくある失敗は、抽象的・専門用語・自社目線・長すぎる・誰にでも当てはまる、の5パターン
  • ホームページのトップコピーは、5秒で「誰向け・何が得られる・なぜここか」が伝わるかが基準

キャッチコピーは、才能やセンスより「型」と「手順」で作れます。まずは相手の言葉を集め、ベネフィットに言い換え、短く言い切る——この順番を守るだけで、行動につながる言葉に近づきます。自社の良さをどう言葉にするか迷ったら、無料相談で、貴社に合う伝え方を一緒に整理するところから始めてみてください。