中小企業の経営者から、こんな相談をよく受けます。
「ホームページは数年前に作った。お金もかけた。なのに、問い合わせはほとんど来ない。アクセス解析を見ると一応ページは見られているらしい。何が悪いんでしょう?」
結論を先に言うと、問い合わせが来ない原因の 8 割は「誰向けかが伝わっていない」「強み・差別化が言語化されていない」「次の一歩(CTA)が明示されていない」の 3 つに集約されます。検索順位やデザインの良し悪しは、実はその後の話です。
この記事では、私自身がアクセンチュアで戦略コンサルタントとして大企業のサイト改善プロジェクトを支援してきた経験と、その後 Techt 株式会社として中小企業の HP 制作・改善を多数見てきた経験から、HP に問い合わせが来ない 5 つの典型原因と、税理士・不動産・士業など業種別の打ち手を整理します。
この記事で分かること
- HP に問い合わせが来ない 5 つの典型原因
- 税理士・不動産・士業などの業種別の打ち手
- 自社で診断できる改善チェックリスト(10 項目)
- 自社で対処できる範囲と、専門家に相談すべきタイミング
- よくある質問への回答
HP に問い合わせが来ない 5 つの典型原因
実際に中小企業の HP を見ていると、問い合わせが来ない原因はほぼ毎回この 5 つのどれか(多くは複数)に当てはまります。深刻度順に整理します。
第 1 位:誰向けかが伝わっていない(ターゲット不明確)
トップページを開いて 3 秒以内に「これは自分向けのサービスだ」と思えなければ、ユーザーは離脱します。「中小企業のお客様へ」「個人のお客様も法人のお客様も」のような網羅的な表現は、誰にも刺さらないのが現実です。
改善の起点は、「想定する一人の顧客像(ペルソナ)」を具体的に書き出すことです。業種・規模・役職・抱えている課題・予算感まで具体化すると、ファーストビューのキャッチコピー・本文・CTA の文言すべてが自動的に絞り込まれます。
第 2 位:強み・差別化が言語化されていない
「親身な対応」「高品質なサービス」「実績豊富」のような誰でも言える形容詞は、強みではありません。読み手が「他社も同じことを言っている」と感じた瞬間に、HP は「比較材料」から「ノイズ」に格下げされます。
差別化を言語化するには、次の 3 つを具体的な数字・固有名詞・事実で書きます。
- 誰よりも得意な領域(例:相続税の中でも事業承継案件、IT 業界の月次決算、地域名 + 物件種別の在庫数)
- 競合と比べた優位性(例:所要時間が半分、料金が 1/3、対応エリアの広さ、独自の検査基準)
- そう言える根拠(例:所属組織での実績年数、過去の取扱件数、保有資格、メディア掲載歴)
第 3 位:CTA(行動喚起)が弱い、または見つからない
ユーザーは「次に何をすればいいか」が明示されていないと動きません。「お問い合わせはこちら」だけのリンクが下部に小さくあるだけでは、CTA としては機能していません。
効果的な CTA は次の条件を満たします。
- ファーストビュー内に 1 つ目の CTAを配置(スクロールしなくても見える位置)
- 行動の心理的ハードルを下げる文言(例:「無料相談」「30 分のオンライン相談」「資料ダウンロード」など、いきなり契約ではない選択肢)
- クリック後に何が起きるかの明示(例:「お問い合わせ後、当日中にメールで返答します」「営業電話は一切ありません」)
- 各セクションの末尾にも CTA を繰り返し配置(読み終わるたびに次の一歩が見える)
第 4 位:検索意図と本文がズレている
SEO で流入はあるのに問い合わせがゼロ、という場合の典型原因です。たとえば「税理士 相続」で検索したユーザーに、トップページの「総合的な会計サービス」の話を見せても、ユーザーは「自分が探している情報じゃない」と判断して離脱します。
対策は、流入キーワードごとに専用のランディングページ(または記事ページ)を用意し、検索意図に直球で答える構成にすることです。Google Search Console で「実際にどんなキーワードで流入しているか」を確認し、流入キーワード上位 10 個それぞれに対する答えがサイト内に用意されているかチェックしてください。
第 5 位:信頼補強要素ゼロ
特に税理士・不動産・士業など「信頼」が購買判断の中心になるビジネスでは、信頼補強要素がないと問い合わせまで進みません。次の要素を最低 3 つはファーストビュー〜2 スクロール以内に配置すべきです。
- 代表者の経歴(出身組織・実務年数・保有資格)と顔写真
- 取扱実績(件数・対応業種・対応地域)
- クライアントの声(社名なしの業種別でも信頼補強になる)
- 第三者評価(メディア掲載・受賞歴・専門書執筆など)
業種別の典型課題と打ち手
上の 5 原因は普遍的ですが、業種ごとに「特に効くポイント」と「業界特有の落とし穴」があります。代表的な 3 業種で整理します。
税理士・社労士・行政書士など士業の HP 集客
士業は「信頼補強」が圧倒的に効きます。資格と経歴を上位に置くだけで、競合との差別化が明確になります。
効果が出やすい順に整理すると次のようになります。
- 代表者の経歴・実績の明示(出身大学・国税局 OB・税理士登録番号・実務年数)
- 専門分野の絞り込み(相続税・法人税・国際税務など、得意領域を 1〜3 つに絞る)
- 初回相談の流れ・費用感の明示(「30 分無料」「初回見積もり無料」「相談だけで終了も可」など心理的ハードルを下げる)
- 業種特化ランディングページ(「不動産業向け税理士」「美容室経営者向け税理士」など)
不動産業の HP 集客
不動産は「在庫の鮮度」「地域 SEO」「フォームの最適化」の 3 つが特に効きます。
- 物件情報の鮮度:成約済み物件が掲載されたままだと信頼を失う。週次更新が最低ライン
- 地域 × 物件種別の専用ページ:「江東区 賃貸マンション」「豊洲 ファミリー向け」など、ユーザーが実際に検索する組み合わせで個別ページを用意
- フォーム項目の最小化:氏名・電話 or メール・希望物件 ID の 3 項目に絞る。住所・年収・家族構成を最初に聞くフォームは離脱率が極端に高い
- 内見予約のオンライン化:電話のみ受付では機会損失が大きい
BtoB 業全般(IT・コンサル・建設業など)
BtoB は検討期間が長く、複数の意思決定者が関与するため、HP には「情報提供」の役割が強く求められます。
- 事例ページの充実(業種別・規模別に複数事例を掲載。固有名詞が出せなくても、課題 → 打ち手 → 成果の構造で書く)
- 資料ダウンロードの導線(いきなり相談ではなく、ホワイトペーパーや事例集など「情報を持ち帰れる」選択肢を用意)
- 段階別の CTA 設計(情報収集段階 → 比較検討段階 → 意思決定段階それぞれに合った CTA を配置)
- 料金体系の透明性(「お問い合わせください」だけだと、相見積もり段階で候補から外れやすい)
自社で診断できる改善チェックリスト(10 項目)
まずは自社の HP を、第三者の目線で次の 10 項目でチェックしてみてください。「No」が 3 つ以上ある場合は、改善の余地が大きく残っています。
- 1.トップページを 3 秒読んだだけで、「誰向けのサービスか」が分かる
- 2.ファーストビュー内に「具体的な強み」が 1 文以上で明示されている
- 3.強みの根拠(数字・固有名詞・事実)が本文中に書かれている
- 4.ファーストビュー内に CTA ボタンが 1 つ以上ある
- 5.CTA ボタンの文言が「無料相談」「資料ダウンロード」など心理的ハードルが低い
- 6.代表者の顔写真・経歴が掲載されている
- 7.取扱実績(件数・業種・地域など)が数字で書かれている
- 8.クライアントの声 or 第三者評価が 3 件以上掲載されている
- 9.問い合わせフォームの必須項目が 5 つ以下に絞られている
- 10.スマートフォンで開いたとき、文字が小さすぎず、CTA が指で押しやすい
専門家に相談すべきタイミング
コピーの書き直し、CTA の追加、信頼補強要素の追記までは、ある程度自社で改善できます。一方で、次のようなケースでは専門家への相談を検討する段階です。
専門家に相談すべき 4 つのサイン
- 事業戦略から見直す本格リニューアルが必要なとき(ターゲット・サービス構成・料金体系から再設計)
- SEO 構造の根本的な見直しが必要なとき(キーワード戦略・サイトマップ・構造化データの追加)
- 広告運用と HP の CV 最適化を連動させたいとき(広告費が無駄になっているケースは多い)
- 3 ヶ月以上自社で改善しても問い合わせ件数が変わらないとき(自社では見えない構造的問題がある可能性)
参考: Techt の支援内容と料金
Techt では、HP 制作前に「何を、誰に、どう届けるか」を一緒に言語化する戦略コンサルを、全プランに標準で含めています。コピー改善・部分リライト・全面リニューアルなど、状況に応じて以下から選べます。
- スポット修正(部分改善向け): 軽微 3,000 円 / 修正 8,000 円 / 改修 20,000 円 / ページ追加 40,000 円 — 保守加入不要・都度払い
- LP プラン(1〜4 ページの全面リニューアル): 50,000 円(税別)・最短 1 週間納品
- 本格 HP プラン(5 ページ以上の本格コーポレートサイト): 100,000 円(税別)・2 週間納品
- 大規模プラン(13 ページ以上・EC や会員制など複雑要件): 200,000 円〜(税別)・1 ヶ月程度
全プランで買い切り型・契約期間の縛りなし。生成 AI を活用した独自フローで業界相場の 1/3 〜 1/10 の価格を実現しています。コピー改善やご相談だけでも歓迎です。詳しくはHP 制作代行サービスのご案内をご覧ください。
よくある質問
HPがあるのに問い合わせがゼロです。何から見直せばいいですか?
まずは「誰向けか」「強みは何か」「次に何をしてほしいか」の 3 つが伝わるかを、第三者に見てもらって確認してください。これらが曖昧だと、SEO で流入を増やしても問い合わせまで届きません。本記事の「自社で診断できる改善チェックリスト」の 10 項目で自己診断できます。
SEO 対策をすれば問い合わせは増えますか?
必ずしも増えません。SEO で増えるのは「検索流入」までで、流入したユーザーが問い合わせフォームまで進むかは、ターゲット明確化・CTA 強化・信頼補強の 3 点にかかっています。受け皿が弱いまま流入だけ増やしても、離脱率が上がるだけです。HP 本体の改善を先に終わらせてから SEO に投資するのが順番として正解です。
税理士事務所のHPで問い合わせを増やすコツは?
士業全般に共通しますが、信頼補強要素を上位に配置することが最重要です。具体的には ① 経歴(出身大学・国税局 OB・税理士登録番号など)② 専門分野の明示(相続税・法人税・国際税務など)③ 既存クライアントの声(社名なし業種別でも可)④ 初回相談の流れと費用感、の 4 点。問い合わせフォームに進む前に「この人なら任せられる」と思える材料を揃えることが、検索順位より優先度が高い改善ポイントです。
不動産業のHPは何をすれば反応が出ますか?
不動産は「在庫の鮮度」「地域 SEO」「フォームの最適化」の 3 つが特に効きます。物件情報が古いと信頼を失い、地域名 × 物件種別の検索ワードで上位を取れないと検索流入が来ず、問い合わせフォームの入力項目が多すぎると離脱します。まず公開物件の更新頻度を確認し、次に「地域名 + 物件種別」のページを作り、最後にフォーム項目を最小化(氏名・電話・希望物件 ID の 3 つ)するのが王道です。
自社で改善するか、専門家に頼むかの判断基準は?
コピー・CTA・信頼補強(実績の追記、お客様の声追加、経歴の明示など)は自社で改善できます。一方で「SEO 構造の見直し(キーワード戦略・サイトマップ再設計・構造化データ追加)」「事業戦略から見直す本格的なリニューアル」「広告運用と連動した CV 最適化」は専門家に頼むべきタイミングです。本記事の「専門家に相談すべきタイミング」で具体的な判断基準を解説しています。
Techt に HP 改善を頼むといくらかかりますか?
改善の規模により 3 つから選べます。①部分修正(コピー差し替え・項目追加など)はスポット修正 3,000 円〜40,000 円・都度払い・保守加入不要。②小規模リニューアル(1〜4 ページ)は LP プラン 50,000 円・最短 1 週間。③本格リニューアル(5 ページ以上)は本格 HP プラン 100,000 円・2 週間。全プランに戦略コンサル(事業整理・ペルソナ設定・キーメッセージ言語化)が標準装備で、追加料金はかかりません。買い切り型なので初日から自社資産化、契約期間の縛りもありません。
まとめ
HP に問い合わせが来ない原因の大半は、SEO・デザイン・サーバーといった技術的な問題ではなく、メッセージ設計の問題です。
- 誰向けか伝わっているか
- 強み・差別化が具体的な数字や事実で言語化されているか
- 次の一歩(CTA)が明示され、心理的ハードルが下がっているか
この 3 点に加え、業種特有の信頼補強要素を整えれば、検索順位を大きく上げなくても問い合わせ件数は改善します。逆に、この 3 点が曖昧なまま SEO や広告に投資しても、流入は増えるのに問い合わせは増えないという結果になりがちです。
まずは本記事のチェックリストで自社診断してみてください。3 ヶ月以上自社で改善しても効果が出ない場合や、戦略から再設計したい場合は、専門家への相談を検討するタイミングです。
