コーポレートサイトのリニューアルを検討する中小企業の経営者から、こんな相談をよく受けます。
「サイトが古くなったのでリニューアルしたい。でも、何から始めればいいのか、どこに頼めばいいのか、いくらかかるのか分からない。社内で稟議も通せない」
結論を先に言うと、リニューアルは「準備(目的整理)→ 設計(要件定義・提案書)→ 実装(制作)→ 公開・運用」の 4 段階で進めれば、手戻りなく完了できます。準備段階を飛ばすと制作中・公開後に大きな手戻りが発生し、結果的に倍以上の期間と費用がかかります。
この記事では、私自身がアクセンチュアで大企業のサイトリニューアルプロジェクトを支援してきた経験と、Techt 株式会社として中小企業の HP 制作・リニューアルを支援してきた経験から、リニューアルの全工程と必要なアウトプット・費用相場・提案書テンプレまでを完全解説します。
この記事で分かること
- リニューアルが必要になる 5 つのサイン
- 準備 → 設計 → 実装 → 公開・運用 の 4 段階フロー
- 費用相場と料金構造(サブスク型・買い切り型・大手制作会社)
- 提案書・企画書の 7 章テンプレート
- 制作会社の選び方と公開後の運用ポイント
リニューアルが必要になる 5 つのサイン
次の 5 つのうち、複数が当てはまる場合はリニューアルを検討すべきタイミングです。
① 公開から 5 年以上経過している
Web デザインのトレンド・スマホ対応の標準・ブラウザの仕様すべてが 5 年で大きく変わります。5 年前のデザインは、見る人に「この会社、最近動いていないのでは?」という印象を与え、信頼を損ねます。
② スマートフォンでの表示が崩れる、または読みにくい
Google は 2018 年からモバイルファーストインデックスを採用しており、スマホ表示が悪いと検索順位そのものが下がります。今のユーザーの 7 割以上はスマホで HP を見るため、スマホ最適化されていない HP は機会損失が大きいです。
③ 事業内容・サービス構成が変わったが、HP が追いついていない
新サービスを追加したのに HP に載っていない、サービス内容を変更したのに古い情報のまま、というケース。HP の情報が古いと、せっかく検索流入があっても問い合わせまで進まず、離脱します。
④ 問い合わせがほとんど来ない
HP はあるのにビジネスにつながっていない場合、リニューアルが必要というより、まずは原因の特定が重要です。詳しくはHPあるのに問い合わせが来ない理由 TOP 5を参照してください。
⑤ 社内で管理ができず、更新が止まっている
ブログやお知らせの更新が 1 年以上止まっている場合、検索エンジンに「動いていないサイト」と判定され、徐々に検索順位が下がります。更新が止まる構造的な理由(CMS が使いにくい・管理者が辞めた・運用ルールがない)を、リニューアルと同時に解消する必要があります。
リニューアルの 4 段階フロー
リニューアルは大きく 4 段階に分かれます。各段階で必要なアウトプットと所要期間の目安を整理します。
Phase 1:準備(目的整理・現状分析)— 2〜4 週間
リニューアルで最も飛ばされがちで、最も重要な段階です。「なぜリニューアルするのか」「リニューアル後に何が変わっていればいいのか」を言語化します。
必要なアウトプット:
- リニューアルの目的(問い合わせ件数の増加・採用応募の増加・ブランドイメージの刷新など、定量目標つき)
- ターゲットの明確化(業種・規模・役職・課題感)
- 現状分析(既存 HP のアクセス解析・離脱ページ・流入キーワードの確認)
- 競合分析(同業他社 3〜5 社の HP の構成・訴求・強みを整理)
Phase 2:設計(要件定義・提案書)— 2〜4 週間
Phase 1 の整理を踏まえて、HP の具体的な設計を行います。制作に入る前に「何を作るか」を確定させる段階です。
必要なアウトプット:
- サイトマップ(ページ構成の全体像)
- 各ページのコンテンツ設計(ヘッダー・本文・CTA の構成)
- デザインの方向性(参考サイト 3〜5 件・カラー・フォントの方向性)
- 機能要件(CMS の有無・問い合わせフォーム・予約システム・会員機能など)
- 制作スケジュール(マイルストーンと納品日)
- 提案書 / 企画書(次セクションのテンプレ参照)
Phase 3:実装(制作)— 4〜8 週間
Phase 2 の設計に沿って、デザイン・コーディング・コンテンツ制作を進めます。準備と設計がしっかりできていれば、この段階での手戻りは最小限に抑えられます。
必要なアウトプット:
- デザインカンプ(トップページ + 主要下層ページ 2〜3 ページ)
- コーディング(レスポンシブ対応・SEO 構造化データ実装)
- コンテンツ作成(コピーライティング・写真撮影 or 画像選定)
- レビューと修正(クライアント側の確認・修正反映)
Phase 4:公開・運用 — 1〜2 週間 + 継続
公開してからが本当のスタートです。公開後の運用設計が、リニューアル投資の回収を決めます。
必要なアウトプット:
- 本番公開・ドメイン切り替え(旧サイトからの 301 リダイレクト設定)
- Google Search Console / Analytics の再設定
- 運用マニュアル(更新方法・トラブル時の連絡先)
- 月次レビュー体制(アクセス解析の振り返り・改善案の継続実装)
費用相場と料金構造
コーポレートサイトのリニューアル費用は、料金モデルにより大きく異なります。中小企業向けに 3 つのモデルを整理します。
| モデル | 費用感 | 特徴 |
|---|---|---|
| サブスク型 | 月額 10,000〜30,000 円 初期 0〜数万円 | 初期費用が安いが、長期で見ると割高。契約期間中はサイトの所有権が制作会社にあるケースもある |
| 買い切り型 | 30〜200 万円 (中小企業向け) | 初日から自社資産。AI 活用の制作会社では低価格化が進み、5〜50 万円のレンジも増えてきた |
| 大手制作会社 | 200〜1,000 万円 | ブランディング型・戦略から伴走。大企業 / 上場企業向けで、中小企業には過剰スペックなことが多い |
中小企業の場合、買い切り型で 30〜100 万円の範囲が現実的な選択肢です。サブスク型は「最初の現金支出を抑えたい」「常に最新の状態に保ちたい」場合に向きますが、3 年以上使う想定なら買い切り型の方が総額で安くなります。
参考: Techt のリニューアル料金プラン(買い切り型)
Techt は生成 AI を活用した独自フローで、買い切り型を業界相場の 1/3 〜 1/10 の価格帯でご提供しています。中小企業のリニューアル予算で「これくらいの規模ならこの金額」の参考として置いておきます。
| プラン | 料金(税別) | ページ数 / 納期 | 向く規模 |
|---|---|---|---|
| LP プラン | 50,000 円 | 1〜4 ページ / 最短 1 週間 | 個人事業主・1 商品/サービス特化 |
| 本格 HP プラン | 100,000 円 | 5 ページ以上 / 2 週間 | 標準的な中小企業コーポレートサイト |
| 大規模プラン | 200,000 円〜 | 13 ページ以上 / 1 ヶ月程度 | EC 構築・会員制・CMS 連携など複雑要件 |
全プランに戦略コンサル(事業整理・ペルソナ設定・キーメッセージ言語化)が標準装備され、追加料金はかかりません。買い切り型なので初日から自社資産化、契約期間の縛りもありません。公開後の保守は月額 1,000 円〜30,000 円から任意で選べる構造です。
36 ヶ月総額シミュレーション(中小企業の標準的なコーポレートサイト)
実際にリニューアルを検討するときは、初期費用だけでなく「3 年間の総額」で比較するのが正解です。標準的な中小企業のコーポレートサイト(8〜11 ページ)で、3 つの料金モデルを 36 ヶ月総額で並べると差が明確になります。
| 項目 | Techt 本格 HP (買い切り型) | サブスク型 (月額 9,800 円〜の広告例) | 一般 HP 制作会社 (買い切り型) |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 10 万円 | 5 千円 | 80 万円〜 |
| 保守月額 | 5 千円 | 1.98 万円 | 3.98 万円〜 |
| 戦略コンサル | ◯ あり | ✕ なし | ✕ なし |
| 資産化までの期間 | 即日 | 36 ヶ月 | 即日 |
| 資産化までの最低額 | 10 万円 | 71.8 万円 | 83.9 万円 |
| 36 ヶ月総額 | 28 万円 | 71.8 万円 | 223 万円〜 |
Techt の場合、36 ヶ月総額でサブスク型より約 61% 安く、一般 HP 制作会社より約 87% 安くなります。サブスク型の広告でよく見る「月額 9,800 円〜」は1 ページの料金で、中小企業の標準的なコーポレートサイト(8〜11 ページ)では月額 19,800 円〜に上がる点も注意してください。
さらに資産化(サイトを自社所有にする)までの期間とコストにも大きな差があります。サブスク型は36 ヶ月の契約満了まで自社所有にならず、契約を中断した時点でサイトが使えなくなるリスクがあります。買い切り型なら初日から自社資産で、ホスティング先を移行する自由度も保たれます。詳しい比較はHP 制作代行サービスのご案内をご覧ください。
提案書・企画書の 7 章テンプレート
社内決裁を通すためには、提案書 / 企画書の構成が重要です。次の 7 章構成にすれば、稟議書としてもそのまま使えます。
- 1
現状課題
なぜリニューアルが必要か(既存 HP の問題点・市場環境の変化)
- 2
目的
リニューアル後に達成したい状態(定量目標つき:問い合わせ件数 ◯◯件/月 など)
- 3
ターゲット
想定するユーザー像(業種・規模・役職・課題感)
- 4
コンテンツ設計
サイトマップ・各ページの構成・コンテンツの方向性
- 5
制作スケジュール
4 段階フローの各マイルストーンと納品日
- 6
費用
初期費用・運用費用・保守費用の内訳
- 7
公開後の運用
更新体制・効果測定の方法・改善サイクル
制作会社の選び方
制作会社を選ぶときの判断基準を 5 点に絞ります。
- 同業種・同規模の制作実績がある(業種特有の論点を理解しているか)
- 戦略設計から伴走できる(デザイン・コーディングだけでなく、ターゲット設定・コンテンツ設計から関わってくれるか)
- 料金体系が透明(プラン別の料金・追加料金の発生条件が明示されているか)
- 公開後の運用フォローがある(公開して終わりではなく、月次改善まで伴走するか)
- 担当者の対応がスムーズ(ヒアリングの質・返信の早さ・提案内容の納得度)
注意すべき制作会社の特徴
- 「絶対に集客できる」「必ず問い合わせが増える」と断言する(HP 単体での保証は誰にもできない)
- ヒアリングが極端に短い(30 分以内)。戦略設計には最低 1 〜 2 時間必要
- 料金表が出てこない、口頭でしか提示されない
- テンプレート流用で「他社と同じデザイン」を提案してくる
- 公開後の運用について話が出ない
公開後の運用(見落とされがち)
リニューアルの効果は、公開後の運用で 8 割が決まります。次の 4 つを継続することが必須です。
- 月次のアクセス解析レビュー(流入数・流入経路・離脱ページ・CV 率)
- コンテンツの追加・更新(ブログ・お知らせ・事例追加で「動いているサイト」と認識される)
- 軽微な改善の継続(コピーの言い回し・CTA の文言・写真の差し替えなど、PDCA を回す)
- SSL・サーバー・CMS のセキュリティ更新(放置すると改ざんや障害のリスク)
Techt では、HP 制作と公開後の運用支援を一気通貫で提供しています。詳しくはHP 制作代行サービスのご案内をご覧ください。
よくある質問
リニューアルと新規制作の境目はどこですか?
既存のドメイン・コンテンツ資産(記事・お客様の声・実績)を引き継ぐ場合がリニューアルで、それらを継承せずゼロから作る場合は新規制作です。ただし実務上、「既存サイトを廃止して新サイトをゼロから構築 + ドメインだけ引き継ぐ」というケースが多く、お客様視点ではこれもリニューアルと呼ばれます。引き継ぐ資産が少ない場合は、思い切ってゼロから作り直した方が結果的に早く・安く済むことが多いです。
リニューアル費用の相場はいくらくらいですか?
中小企業のコーポレートサイトであれば、サブスク型は月額 10,000 〜 30,000 円(初期費用は 0 〜 数万円)、買い切り型は 30 〜 200 万円、大手制作会社は 200 〜 1,000 万円が目安です。Techt は買い切り型を業界相場の 1/3 〜 1/10 の価格帯で提供しており、LP プラン 50,000 円(1〜4 ページ)/ 本格 HP プラン 100,000 円(5 ページ以上)/ 大規模プラン 200,000 円〜(13 ページ以上)の 3 段構成です。全プランに戦略コンサル標準装備で追加料金なしです。
リニューアルの期間はどのくらいかかりますか?
中小企業のコーポレートサイトであれば、準備段階に 2〜4 週間、設計に 2〜4 週間、制作実装に 4〜8 週間、公開準備に 1〜2 週間で、合計 2〜4 ヶ月が標準です。AI 活用と型化を進めている制作会社では 1 ヶ月未満で完了するケースもあります。準備段階を飛ばすと制作中の手戻りが多発し、結果的に倍以上の期間がかかるので、準備をしっかり取るのが結果的に最短ルートです。
社内に Web 担当者がいないのですが、リニューアルできますか?
できます。実際、中小企業の多くは専任の Web 担当者を置いていません。重要なのは「経営者または事業責任者が、ヒアリングと意思決定に参加できるか」です。デザイン・コーディング・コピーの細かい部分は制作会社に任せられますが、「誰向けに何を訴求するか」の戦略判断は経営側が決める必要があります。月次のミーティング 1 時間程度の参加で十分です。
公開後の運用はどうすればいいですか?
最低限「サーバー・SSL の維持」「コンテンツの軽微な更新」「アクセス解析の月次確認」の 3 つは必要です。これらを自社で行う場合は無料、外注する場合は月額 1,000 円(サーバー管理のみ)〜 30,000 円(修正無制限 + 改善提案)が相場です。公開して終わりではなく、月次でアクセス解析を見て改善を回せるかが、リニューアル投資の回収を決めます。
まとめ
コーポレートサイトのリニューアルを成功させるポイントは次の 3 つです。
- 準備段階を飛ばさない(目的整理・ターゲット明確化・現状分析を 2〜4 週間しっかり取る)
- 自社の規模に合った料金モデルを選ぶ(中小企業は買い切り型 30〜100 万円が現実的)
- 公開後の運用体制を最初に設計する(月次レビュー・コンテンツ更新・改善 PDCA)
リニューアルは投資です。投資回収できるかは、準備の質と公開後の運用にかかっています。本記事の 7 章テンプレで提案書 / 企画書を作り、社内決裁を通すところから始めてみてください。
