結論から言うと、キャッチコピー作りでAIに任せるべきは「完成品を1本出すこと」ではなく、方向性の違う案を大量に出すことです。そして、その中から選んで磨くのは人の仕事です。私たち Techt は、自社サービスのコピー案出しを Claude Code(クロードコード)で行っている会社です。AIに何十本も案を出させ、人が選んで磨く——この流れを自社で毎回回しているからこそ、「どう頼めば良い案が出るか」「どこで人が判断すべきか」を実務ベースでお伝えできます。

この記事は、コピーライターに頼む予算はないけれど、HPやチラシに載せる言葉を自分で何とかしたい——そんな非エンジニアの経営者・個人事業主の方に向けて、キャッチコピーをAIで作る手順を5ステップで整理したものです。専門用語は出てきた場所で説明するので、読みながらそのまま試せます。

この記事で分かること

  • AIでキャッチコピーを作るときの現実的な役割分担(案出しはAI・選んで磨くのは人)
  • 良い案を引き出すためにAIへ渡す3つの情報(誰に・何を・どうなってほしいか)
  • 案出しから決定までの5ステップ(Techtが自社コピーで回している手順)
  • 大量の案から絞り込むときの選定基準3つ
  • そのまま使うと危ない案の見分け方(事実でない強み・言い過ぎ・似すぎ)

AIでキャッチコピーは作れる?——できること・人がやること

「キャッチコピーをAIで作る」と聞くと、魔法のように名コピーが1本出てくる姿を想像するかもしれませんが、実際は違います。AIはあなたの商売もお客さんも知りません。人が事業の情報を渡す→AIが案を出す→人が選んで磨く、という流れで初めて使いものになります。逆に言えば、AIの強みは「量」です。人間が10案ひねり出すのに苦労するところを、AIは方向性の違う案を短時間で何十本も出せます。キャッチフレーズをAIで作る価値は、この選択肢の広さにあります。

工程誰がやるか理由
誰に・何を伝えるかを決める自分の商売とお客さんを知っているのは自分だけ
案を大量に出すAI方向性を変えながら数十案を短時間で出せる
案を選ぶお客さんに届くかどうかの判断はAIにはできない
言い回しを磨く人+AI人が方向を決め、言い換え案の量産はAIが手伝う
事実確認・最終チェック事実でない強みや言い過ぎはAIでは見抜けない

なお、AIはテキストの道具です。コピー案は出せますが、あなたのHPやチラシを勝手に書き換えてくれるわけではありません。情報を渡し、出てきた案を確認して使うのは常に人——この前提を押さえておくと、期待外れも事故も防げます。

キャッチコピーの作り方——AIで案出しする5ステップ

ここからが本題です。私たちTechtが自社サービスのコピーを作るときに実際に回している手順を、そのまま5ステップにしました。全体の流れは「誰に何を伝えるかを人が決める→AIが大量に案を出す→人が選ぶ→人が磨く」です。

AIでキャッチコピーを作る流れの図。誰に何を伝えるかを人が決め、AIが大量に案を出し、その中から人が選び、最後に人が磨いて仕上げる、という4段階が矢印でつながっている

1. 「誰に・何を・どうなってほしいか」を書き出す

AIに頼む前に、この3点だけは人が決めます。「誰に」はできるだけ具体的に(例:初めてHPを作る個人事業主)。「何を」は商品名ではなく、お客さんにとっての価値で(例:安いだけでなく集客まで考えたHP)。「どうなってほしいか」は読んだ後の行動です(例:無料相談を申し込んでほしい)。ここが曖昧なままAIに投げると、どの会社にも当てはまる無難な案しか出てきません。お客さんから実際に言われた言葉があれば、それも一緒に書き出しておくと強力な材料になります。

2. 使う場所と制約を伝える

同じ商売でも、HPの一番上に置く見出しと、チラシの表面と、SNSの投稿では、合うコピーの長さもトーンも違います。「HPの最初に表示される見出しに使う。15〜25字程度。ですます調は不要」のように、使う場所・文字数の目安・トーンを伝えてください。ここを省くと、良い案なのに載せる場所に収まらない、という手戻りが起きます。

3. 方向性を変えながら大量に案を出してもらう

準備した情報を渡して、「この内容でキャッチコピー案を20本。安心感を打ち出す方向・スピードを打ち出す方向・価格を打ち出す方向に分けて」のように頼みます。ポイントは本数と方向性の両方を指定することです。本数だけ指定すると似た案が並びがちですが、方向性を分けさせると選択肢の幅が一気に広がります。出てきた案を見て「この系統でさらに10本」と枝分かれさせるのも有効です。

4. 人が選ぶ——3つの基準で絞り込む

数十本の案から、まず5本程度に絞ります。基準は次の章で詳しく説明しますが、要点は「お客さんに届くか・事実か・自社らしいか」の3つです。この工程はAIに任せず、必ず自分の目で選んでください。お客さんの顔が浮かぶのはあなただけだからです。

5. 選んだ案を人が磨く(AIと往復する)

最後に、残った案の言い回しを整えます。「この案の『安心』をもっと具体的な言葉にしたい。言い換えを10通り」のように、方向は人が決めて、言い換えの量産はAIに手伝わせると速く仕上がります。2つの案の前半と後半を組み合わせる、といった編集も効果的です。完成したら、実際に使う場所(HPなら画面、チラシなら紙面)に置いてみて、周りの要素と一緒に読んで最終判断します。

案の選び方——大量のコピー案からどう絞るか

AIでの案出しに慣れると、今度は「案が多すぎて選べない」が次の壁になります。私たちが使っている選定基準は3つです。

  • お客さんの言葉に近いか:業界の中の人しか使わない言葉より、お客さんが実際に口にする言葉に近い案のほうが届きます。迷ったら、お客さんに言われたことのある表現を含む案を残してください。
  • 事実として言い切れるか:「地域No.1」「満足度98%」のような数字や順位は、根拠を示せるものだけ。AIは渡していない実績をもっともらしく作ることがあるので、自分が根拠を説明できない表現は落とします
  • 競合がそのまま使えない言葉か:どの同業者の看板に掛け替えても成立するコピーは、自社を選ぶ理由になりません。「うちだから言えること」が入っている案を優先します。

この3つで絞ると、たいてい5本前後が残ります。決めきれないときは、1本に無理に絞らず、HPの見出しとチラシで別の案を使って反応を見る、という手もあります。

AIコピーならではの3つの落とし穴:1つ目は事実でない強みです。AIは渡していない実績・数字・受賞歴をもっともらしく書くことがあります。コピーに入れる事実は、必ず自分で根拠を確認してください。2つ目は言い過ぎです。効果や優位性を断定する表現は誇大表示になり得ます。特に健康・美容・金融まわりは表現の規制が厳しい分野なので、迷ったら専門家に確認を。3つ目は似すぎです。有名なコピーや他社の商標に似た案が出てくることがあります。採用前に検索して、同じ・酷似した表現が使われていないかを確かめてください。

うまくいかないときのつまずきポイント

コピーライティングをAIで試して「思ったより普通の案しか出ない」と感じたら、原因はほぼ次の3つのどれかです。

  • 渡す情報が薄い:「いい感じのキャッチコピーを作って」では、AIは一般論しか出せません。ステップ1の3点(誰に・何を・どうなってほしいか)とお客さんの声を渡すだけで、案の質は目に見えて変わります。
  • 1回で終えている:最初の20案は「たたき台」です。「3番の系統でもっと柔らかく」「価格の話は外して」のように注文をつけて2〜3往復すると、案は育ちます。1回のやり取りで判断しないでください。
  • AIに選ばせている:「この中でどれが一番いい?」と聞きたくなりますが、AIの推薦は一般論です。参考意見として聞くのは構いませんが、決めるのはお客さんを知っている自分、と線を引いてください。

チャット型AIとClaude Codeの違い——コピーの「型」を使い回す

ここまでの手順は無料のチャット型AIでも実行できます。そのうえで、コピー作りを繰り返すならClaude Codeに利点があります。事業の情報や過去のコピー案をファイルとして手元に残し、次回の案出しに引き継げる点です。チャット型のAIでは会話が変わるたびに事業説明からやり直しになりがちですが、Claude Codeなら「誰に何を売っているか」「過去に採用した表現・却下した表現とその理由」を書いたファイルを読ませてから案出しを始められます。

私たちTechtも、自社サービスの紹介文や見出しを作るときはこの方法です。過去に出した案と選定理由が手元に積み上がっていくので、回を重ねるほど「自社らしい案」が最初から出やすくなります。HPの見出し、チラシ、SNS投稿と、コピーを作る場面が続く方ほど効果を感じられるはずです。Claude Codeそのものの始め方は、Claude Codeの始め方で解説しています。

よくある質問

AIでキャッチコピーは作れますか?

作れます。ただし現実的なのは「案を大量に出すのはAI、選んで磨くのは人」という役割分担です。AIは方向性の違う案を短時間で何十本も出せますが、どの案が自分の商売とお客さんに合うかまでは判断できません。私たちTechtも自社サービスのコピーはClaude Codeで大量に案を出し、人が選んで磨く流れで作っています。最初から1本の完成品を求めず、選択肢を広げる道具として使うのがコツです。

キャッチコピーをAIに頼むとき、何を伝えればいいですか?

最低限「誰に」「何を」「読んだ人にどうなってほしいか」の3点と、コピーを使う場所(HPの見出し・チラシ・SNSなど)を伝えてください。AIはあなたの商売やお客さんのことを知らないので、渡す情報が薄いとどの会社にも当てはまる無難な案しか出てきません。逆に、お客さんからよく言われる言葉や選ばれている理由を具体的に渡すほど、自社らしい案が出ます。案の質は渡す情報の質で決まります。

チャット型のAIとClaude Codeは、コピー作りで何が違いますか?

大きな違いは、事業の情報や過去に作ったコピーをファイルとして覚えさせておける点です。チャット型のAIは会話が変わるたびに事業説明をやり直しがちですが、Claude Codeは「誰に何を売っているか」「これまで採用した表現・却下した表現」を手元のファイルに残し、次回はそれを踏まえて案を出せます。私たちTechtもこの方法で、案出しのたびに前提説明を繰り返さずに済むようにしています。

AIが作ったキャッチコピーはそのまま使っていいですか?

そのまま使うのは避けてください。確認するのは主に3点です。第一に事実かどうか。AIは渡していない実績や強みをもっともらしく書くことがあります。第二に言い過ぎがないか。効果や優位性を断定する表現は誇大表示になり得ます。第三に他社の商標や有名なコピーと重なっていないか。コピーは会社の看板になる言葉なので、最終チェックは必ず人が行い、迷う場合は専門家に確認してください。

AIから良いコピー案が出ないときはどうすればいいですか?

まず疑うべきは指示の情報量です。「いい感じのキャッチコピーを」のような頼み方では無難な案しか出ません。お客さんの声や選ばれている理由を追加で渡す、「安さではなく手厚さを打ち出す方向で」のように方向を指定する、「この案の系統でさらに10本」と枝分かれさせる、の3つで改善することがほとんどです。1回のやり取りで諦めず、案を見て注文をつける往復を前提にすると結果が変わります。

まとめ

  • キャッチコピー作りの現実解は「案を大量に出すのはAI、選んで磨くのは人」の役割分担
  • 頼む前に「誰に・何を・どうなってほしいか」と使う場所・文字数を人が決める。案の質は渡す情報の質で決まる
  • 案は方向性を分けて20本など大量に出させ、「お客さんの言葉に近いか・事実か・自社らしいか」の3基準で人が絞る
  • 事実でない強み・言い過ぎ・他社との似すぎは必ず人がチェック。根拠を説明できない表現は使わない
  • 繰り返し作るなら、事業情報と過去案をファイルで引き継げるClaude Codeが有利

キャッチコピーは、一度の思いつきではなく「たくさん出して選ぶ」仕組みで作るものです。AIで案出しの量を確保できるようになった今、個人事業主や小さな会社でも、この作り方は十分手が届きます。Techt は、自社のコピー・HP・経理をClaude Codeで回している経験をもとに、経営者・個人事業主の方のAI活用の相談を受けています。自社に当てはめた使い方を知りたい方は、無料相談でお気軽にどうぞ。コピーが決まったら、次はチラシをAIで作る手順SNS投稿をAIで作る方法もあわせてご覧ください。