「江東区でホームページを作りたいけれど、補助金が使えると聞いた」。その情報は正しいです。江東区には、区内の事業者が初めてホームページを開設する費用の一部を補助する「ホームページ作成費補助」という制度があります。
結論から言うと、補助されるのは対象経費の2分の1以内・上限10万円。たとえば税込20万円の制作なら、自己負担は10万円まで下がります。ただし、「ホームページを公開する前に申請する」という順番を間違えると、対象なのに1円も受け取れません。
この記事は、厚生労働省で助成金審査官として制度運用に携わった経験を持ち、自身も江東区に本店を置く制作会社であるTechtが書いています。実際にこの補助金を使う前提の制作をお手伝いしてきた実務目線で、対象・金額・申請手順・落とし穴を整理します。
※本記事は2026年7月時点で江東区の公式ページに掲載されている内容に基づきます。制度の内容は変わることがあるため、申請前に必ず江東区の公式ページと窓口で最新情報をご確認ください。
この記事で分かること
- 江東区ホームページ作成費補助の対象者・補助額・対象経費
- 申請から振込までの流れと、必要書類の一覧
- 「公開前の申請が必須」など、受け取り損ねる落とし穴5つ
- 制作費ごとの自己負担額の計算例
江東区ホームページ作成費補助とは
江東区内の中小企業・個人事業主が、PRや販路拡大のために初めてホームページを開設する場合に、その費用の一部を区が補助する制度です。まず全体像を表で押さえてください。
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内(千円未満切捨) |
|---|---|
| 上限額 | 10万円 |
| 対象者 | 区内に本店(個人は主たる事業所)を持つ中小企業者、または江東区中小企業団体名簿に登録された団体 |
| 条件 | 「初めて」ホームページを開設すること(リニューアル・過去にHPがあった場合は対象外) |
| 申請時期 | ホームページの公開・着手前に交付申請 |
| 締切 | 申請年度内に完成し、実績報告書を3月31日必着で提出 |
| 窓口 | 江東区 地域振興部 経済課 産業振興係(区役所4階29番・03-3647-2332) |
国の補助金と比べて要件がシンプルで、書類も少なめです。一方で「初めての開設」限定という強い条件があるため、使えるのは事業者人生で一度きり。だからこそ、最初のホームページをどう作るかが大事になります。
対象になる人・ならない人
対象になるのは、江東区内に本店(個人事業主は主たる事業所)がある中小企業者です。法人・個人事業主のどちらも申請できます。
一方で、次のケースは対象外です。
- 既存ホームページのリニューアル
- 過去にホームページを持っていた同一法人・同一個人(新設法人や、別事業を新たに始める個人は対象になりえます)
- 作るサイトがSNSやブログなど既存サービスのページだけの形態
- 他の機関から同種の補助を重複して受ける場合
また、完成したホームページには①商号(個人は氏名か屋号)②本店所在地 ③電話番号かメールアドレス ④事業内容の4点を掲載する必要があります。制作会社に依頼する場合は、この必須記載を最初に伝えておくとスムーズです。
対象になる経費・ならない経費
補助の対象になる経費は、次の4つです。
- ホームページ作成の外部委託費(開設後の維持管理費は除く)
- ホームページ作成ソフト・解説書の購入費(自分で作る場合。外部委託費との併用は不可)
- ドメイン取得費用
- サーバー利用の初期費用
パソコンなどの設備購入費や通信費は対象外です。また、対象になるのは「申請時点から1年以内、または完成後の実績報告までに支払ったもの」に限られます。
見積書に「保守・管理費」を混ぜない
開設後の維持管理費は補助対象外です。制作会社の見積書に月々の保守やサポート費用が制作費と一体で書かれていると、対象経費の切り分けができず、審査で不利になります。補助金を使う前提なら、見積書は「制作費」と「保守費」を明確に分けてもらってください。
いくら戻る?制作費ごとの計算例
補助額は「対象経費の2分の1以内・上限10万円」です。具体的な自己負担額をイメージしてください。
| 制作費(税込) | 補助額 | 自己負担 |
|---|---|---|
| 12万円 | 6万円 | 6万円 |
| 20万円 | 10万円(上限) | 10万円 |
| 30万円 | 10万円(上限) | 20万円 |
制作費が税込20万円のとき、補助の上限10万円をちょうど使い切る計算になります。20万円を超えた分はすべて自己負担になるので、「補助金をフルに活かして負担を最小にする」なら、20万円前後の制作が損益分岐の目安です。
なお、補助額の計算を税込・税抜どちらで行うかは要綱に明記がありません。私たちが2026年4月に区の窓口へ直接確認したところ、「計算は税込金額で行う」との回答でした。見積書の税込金額がそのまま対象経費になる、と考えて大丈夫です。
申請から振込までの流れ
全体の流れは6ステップです。肝は最初の順番で、必ず「申請してから作り始める」こと。

- 制作会社を決めて見積書をもらう:申請書類に補助対象経費の見積書が必要です。
- 交付申請書を提出する:ホームページの公開・着手前に、経済課へ申請します。
- 制作に着手する:申請後に制作を進めます。
- ホームページを公開する:商号・所在地・連絡先・事業内容の必須4項目を掲載します。
- 実績報告書を提出する:領収書と、完成したホームページを印刷した書類を添えて、3月31日必着で提出します。
- 補助金が振り込まれる:審査の後、補助額(最大10万円)が振り込まれます。
申請時に必要な書類は次のとおりです。
- 補助金交付申請書
- 事業計画書
- 登記事項証明書(法人)/住民票(個人)
- 開業届出書または青色申告書の控え(個人)
- 定款・役員名簿(団体)
- 補助対象経費の見積書など
受け取り損ねる落とし穴5つ
制度自体はシンプルですが、審査する側にいた経験から言うと、落ちる理由の多くは内容ではなく「手続きの順番と形式」です。特に次の5つに気をつけてください。
① 公開・着手してから申請した
最も多く、最も取り返しがつかない失敗です。交付申請はホームページの公開・着手の前が必須で、完成後にさかのぼって申請することはできません。
「まず作ってから補助金を探す」の順番では間に合いません。制作会社を探す段階で、補助金を使うことを決めておいてください。
② 年度内に実績報告が間に合わなかった
申請した年度の3月31日必着で、実績報告書まで提出し終える必要があります。制作が年度をまたぐと、申請していても補助は受けられません。
年明け以降に作り始める場合は、制作期間と報告書類の準備期間から逆算して、間に合うかを最初に確認してください。
③ 必須記載事項が漏れていた
完成したホームページに、商号・本店所在地・連絡先・事業内容の掲載が必要です。デザイン優先で会社情報を省くと、実績報告の段階でつまずきます。
④ 見積書に維持管理費が混ざっていた
開設後の保守・維持管理費は対象外です。制作費と一体の見積書だと経費の切り分けができないため、必ず分けて記載してもらってください。
⑤ 補助金を当座の資金にあてにしていた
補助金は後払い(精算払い)です。いったん制作費の全額を支払い、実績報告の審査後に補助分が振り込まれます。
振込までの立て替えを前提に、資金繰りを計画してください。
補助金全般の「採択後の流れ」や、落ちる典型パターンをより広く知りたい方は、補助金の「採択」とは?と補助金が不採択になる理由TOP5もあわせてどうぞ。
一度きりの補助だからこそ、「成果の出る最初の1本」に使う
この補助金は「初めての開設」限定、つまり一度しか使えません。だからこそ、その一度を「とりあえず作った名刺代わりのサイト」に使ってしまうのはもったいない、というのが私たちの考えです。
Techtは江東区(佐賀)に本店を置く制作会社として、この補助金の活用を前提にした制作プランを提供しています。検索データで需要を確かめてから作る「検索される設計」と市場調査を含めた制作が税込20万円、補助後の自己負担は10万円です。補助対象になるかの確認から、申請を見据えたスケジュール設計、見積書の切り分けまで含めてお手伝いします。
詳しくは江東区のホームページ制作(補助金活用)のご案内をご覧ください。江東区以外の方や、リニューアルをお考えの方はホームページ制作に使える補助金2026で全国の制度を整理しています。
※ Techt が行うのは、対象可否の整理・スケジュール設計・事業計画の設計支援および申請サポートです。行政書士の独占業務にあたる申請書類の作成代行は行いません。必要な場合は有資格の専門家と連携してご案内します。
よくある質問
個人事業主でも江東区のホームページ補助金は使えますか?
使えます。江東区内に主たる事業所がある個人事業主も対象です。申請時には住民票と、開業届出書または青色申告書の控えが必要になります。法人の場合は区内に本店があることが条件です。自宅兼事務所が区外にあるなど対象か微妙なケースは、江東区経済課 産業振興係(03-3647-2332)へ申請前に確認するのが確実です。
すでにWixやペライチで作った無料サイトがあっても対象になりますか?
対象外になる可能性が高いです。この補助金は「初めてホームページを開設する」事業者が対象で、過去にホームページを持っていた場合は対象になりません。無料作成サービスで作ったサイトの扱いはケースによるため、自己判断で削除して申請する前に、必ず区の窓口へ確認してください。私たちが補助金活用の制作をお手伝いするときも、最初にやるのはこの対象可否の確認です。
補助金は先にもらえますか?いつ振り込まれますか?
先にはもらえません。後払い(精算払い)です。制作費はいったん全額を自己負担で支払い、ホームページ完成後に実績報告書や領収書などを提出して、審査を経てから補助金が振り込まれます。たとえば制作費が税込20万円なら、一時的に20万円を立て替えて、後から最大10万円が戻る流れです。資金繰りはこの前提で計画してください。
ホームページのリニューアルには使えますか?
使えません。既存ホームページのリニューアルは対象外と明記されています。リニューアル費用を補助で抑えたい場合は、販路開拓の取り組みとして小規模事業者持続化補助金など別の制度を検討する方が現実的です。どの制度が自社の状況に合うかは、事業の内容と時期によって変わるため、迷ったら専門家や区の窓口に相談してください。
補助金を使いたい場合、何から始めればいいですか?
最初にやるべきは「公開・着手前の交付申請」の準備です。申請には補助対象経費の見積書が必要なので、順番は①制作会社を決めて見積書をもらう→②交付申請→③制作着手→④公開→⑤実績報告(3月31日必着)→⑥振込、となります。先に作り始めると対象外になるため、制作会社を探す段階で「江東区の補助金を使いたい」と伝えておくのが安全です。
まとめ
- 江東区のホームページ作成費補助は、区内で初めてHPを開設する中小企業・個人事業主が対象。補助率1/2以内・上限10万円
- 交付申請は公開・着手の前が必須。作ってからの申請は対象外
- 対象経費は外部委託費・ドメイン・サーバー初期費用など。維持管理費とPC購入費は対象外
- 補助金は後払い。年度内に完成し、実績報告を3月31日必着で提出
- 税込20万円の制作で補助上限10万円をちょうど使い切れる。計算は税込(窓口確認済み)
「初めてのホームページ」に一度だけ使える、シンプルで確実性の高い補助制度です。順番さえ間違えなければ、負担は確実に半分近くまで軽くなります。「自分は対象になるのか」「何から始めればいいか」を整理したい方は、無料相談で、対象可否の確認から一緒に始めてください。
