「ホームページを作りたいけれど、できれば補助金で費用を抑えたい」——そう考える個人事業主・中小企業の方は年々増えています。実際に、ホームページ制作費の一部を補助金でまかなうことは可能です。
結論から言います。ホームページ制作費は補助金で抑えられます。ただし、対象範囲を誤解すると採択されない——これが一番大事なポイントです。「どの補助金でも、どんなホームページでも対象になる」わけではなく、制度ごとに対象になる範囲が厳密に決まっています。ここを取り違えたまま申請して落ちる、あるいは対象外の費用で申請してしまうケースを、私は審査側で数多く見てきました。
この記事では、厚生労働省で助成金審査官として制度運用に携わってきた経験から、ホームページ制作に使える主な補助金、よくある「対象外の罠」、申請の流れと注意点までを、誇張なしで正直に整理します。
※本記事は2026年時点の一般的な情報です。補助金の対象経費・補助率・上限額・申請要件は年度や公募回ごとに変わります。実際の申請にあたっては、必ず各補助金の最新の公募要領をご確認ください。
この記事で分かること
- ホームページ制作に使える主な補助金(対象・補助率・上限)
- 「IT導入補助金でHPが作れる」という誤解の正体(制度の趣旨と申請のズレ)
- 事前申請・後払いなど、補助金活用の流れと注意点
- 補助金で作るなら相性のいい、安く作る制作のかたち
ホームページ制作に使える主な補助金
まず、ホームページ制作費が補助対象になりうる代表的な制度を挙げます。いずれも「どんなホームページでも対象」ではなく、要件に合致した場合に対象になる点に注意してください。
① 小規模事業者持続化補助金(販路開拓の取り組みとして)
小規模事業者(個人事業主を含む)の販路開拓・売上向上の取り組みを支援する補助金です。その取り組みの一環として、新規顧客の獲得を目的としたホームページ制作費が「ウェブサイト関連費」として補助対象になりえます。
- 対象:販路開拓・集客につながるホームページ制作(新規顧客獲得などの目的が明確なもの)
- 補助率:通常枠で原則 3分の2(枠により異なる)
- 上限:通常枠で 50万円 程度(特別枠・賃上げ等の上乗せで変動)
ただし、ウェブサイト関連費には「補助金総額のうち一定割合まで」といった上限が設けられている年度もあります。ホームページ制作だけを目的に満額を狙う、という使い方は想定されていない点に注意が必要です(2026年時点。最新は公募要領を確認)。
② 自治体のホームページ作成費補助
市区町村が独自に実施するホームページ作成費補助も、全国に多数あります。「区内・市内で事業を営む事業者のホームページ新規作成・リニューアル費用」を対象にするものが代表的です。
- 対象:自治体内で事業を営む中小企業・個人事業主のホームページ制作費(自治体により条件は様々)
- 補助率:2分の1 前後が多い
- 上限:10万円〜数十万円 程度(自治体により大きく異なる)
自治体補助は、国の補助金より要件がシンプルで採択されやすい反面、予算枠が小さく先着順で締め切られることもあります。お住まい・事業所のある自治体の商工担当窓口や公式サイトで「ホームページ 補助金」と探すのが確実です(2026年時点。最新は各自治体の要綱を確認)。
どちらを狙う?
販路開拓の取り組みとセットで考えられるなら① 小規模事業者持続化補助金、まずホームページ制作費そのものを手早く抑えたいなら② 自治体補助が入口になりやすいです。両方の対象になることもありますが、同じ経費を二つの補助金で重複して受け取ること(重複申請)は原則できません。
自治体補助は、地域に根ざした事業者ほど使いやすい入口です。実例として、私たち Techt 自身も江東区の事業者向けに、区のホームページ作成費補助(補助率2分の1・上限10万円)を活用した制作プランのご案内ページを公開し、サービスとして提供しています。「検索される設計」と市場調査を含め、補助金の申請から制作までを支援する内容です。地域の自治体補助を実際にどう使うかのイメージとして、江東区のホームページ制作(補助金活用)もあわせてご覧ください。
審査で最も多い誤解:制度の「趣旨」と申請のズレ
私が助成金審査官として最も多く見てきた誤解は、制度の「趣旨」と申請内容がずれていることです。補助金は「何に使えるか」の前に、「何のための制度か(趣旨)」で対象が決まります。趣旨に合わない申請は、どれだけ書類を整えても通りません。その典型が「IT導入補助金でホームページを作れる」という思い込みです。
趣旨を読み違えた申請の典型:IT導入補助金でHP制作
IT導入補助金は、業務効率化・生産性向上に資するITツール(登録された対象ソフトウェア)の導入を支援することが趣旨であり、ホームページ制作を対象とする制度ではありません。「HPもITだから対象だろう」というのは、まさに制度の趣旨を読み違えた典型例です。
ポイントは「ホームページもITだから使えるはず」という発想が、制度の趣旨とずれていることです。IT導入補助金が支援したいのは事業者の生産性を上げるツールの導入であって、会社案内やサービス紹介を載せるコーポレートサイトはそこに該当しません。だから、企業情報を載せるためのホームページ制作費を、そのままIT導入補助金で申請しても通らないのです。
一方で、予約システム・EC(ネット販売)機能・顧客管理など、登録された対象ツールに該当する機能であれば、その範囲は補助の余地があります。つまり「ホームページを作る」ではなく「対象ツールを導入する」という枠組みで考える制度だと理解してください。
まとめると、純粋なホームページ制作費を補助したいなら、IT導入補助金ではなく、小規模事業者持続化補助金や自治体のホームページ補助を選ぶのが正しい入口です(2026年時点。制度内容は変動するため最新の公募要領を確認してください)。
補助金活用の流れと注意点
補助金を使ってホームページを作るとき、制度を正しく使えていないと「対象だったはずなのに補助を受けられなかった」という事態になります。審査する側の視点から、特に外せない注意点を整理します。
① 事前申請が原則(採択前の発注・契約は対象外)
ほとんどの補助金は「先に申請して採択・交付決定を得てから着手する」のが大原則です。採択(交付決定)の前にホームページ制作を発注・契約・支払いしてしまうと、その費用は補助対象外になります。「先に作ってから後で申請」という順番は通りません。申請を考えるなら、制作会社への発注より先に補助金の手続きを始めてください。
② 後払い(一時立替)が基本
補助金は、先にお金がもらえる制度ではありません。いったん制作費の全額を自己負担で支払い、事業完了後の実績報告が承認されてから、補助分が振り込まれます(精算払い)。当座の資金として補助金をあてにすると資金繰りが苦しくなるため、立て替えられる前提で計画してください。
③ 事業計画との整合が採択の鍵
補助金の審査で重視されるのは「きれいなホームページを作るか」ではなく、「そのホームページで何を達成し、どう売上・販路につながるのか」です。助成金の審査をしていた立場から言っても、制度を問わず、事業計画の筋が通っているかが採否の分かれ目になります。デザインの話ではなく、事業として何を解決する投資なのかを、計画書で説明できることが重要です。
採択の前後で起きやすい落とし穴や、採択後の交付申請・実績報告・効果報告の全体像は、補助金の「採択」とは?採択後の流れと落とし穴TOP3で詳しく解説しています。「採択=入金」ではない点も含め、申請前に一度目を通しておくと安心です。不採択になる典型パターンは補助金が不採択になる理由TOP5も参考にしてください。
補助金で作るなら、AIで安く作れる制作と相性がいい
補助金は「かかった費用の一部」を補助する仕組みで、必ず自己負担が発生します。だからこそ、そもそもの制作費を抑えつつ、補助対象として認められる質を確保する——この両立が大事になります。
ここで相性がいいのが、検索される設計を人が持ち、制作の手を動かす部分をAIで高速化する制作のかたちです。デザイン・実装をAIで効率化することで制作費を抑えられ、補助金の自己負担分も小さくできます。同時に、「誰に・何を・どう届けるか」という事業計画と整合した設計を人が担保するので、補助金審査で問われる「販路開拓につながるか」という筋も通しやすくなります。
Techt の HP 制作代行は、まさにこの「AIで安く速く × 設計は人が持つ」かたちです。詳しくはHP制作代行サービスのご案内をご覧ください。AIでホームページがどこまで作れるのか、その実態と限界はAIでホームページ制作は本当にできる?で正直に整理しています。補助金活用そのもののサポートは補助金活用支援サービスをご確認ください。
参考:Techtの補助金活用支援
補助金は「制度を知っているか」だけでなく、「審査で通る事業計画に落とし込めるか」で結果が大きく変わります。私自身が厚生労働省で助成金審査官として審査する側にいた経験から、申請者が見落としがちな観点を踏まえて、通る計画づくりをお手伝いしています。
- 事業計画・申請ストーリーの設計支援:ホームページ制作を「販路開拓の投資」として、数値根拠とともに筋の通った計画に組み立てます。
- 対象範囲のすり合わせ:どの補助金のどの経費区分で申請するのが妥当か、対象外の罠を避けながら整理します。
- 申請から制作・公開まで一気通貫:申請サポートと、補助対象の範囲で安く作るHP制作を、まとめてご相談いただけます。
※ Techt が行うのは、事業計画・申請ストーリーの設計支援および申請サポートです。行政書士・社会保険労務士の独占業務にあたる申請書類の作成代行は行いません。書類作成代行が必要な場合は、有資格の専門家と連携してご案内します。
よくある質問
ホームページ制作に補助金は使えますか?
はい、使えるケースがあります。代表例が小規模事業者持続化補助金で、販路開拓の取り組みの一環としてホームページ制作費がウェブサイト関連費の対象になります。このほか、市区町村が独自に実施するホームページ作成費補助(自治体補助金)も全国に多数あります。ただし、補助金ごとに対象経費・補助率・上限額・申請要件が異なり、どんなホームページでも対象になるわけではありません。本記事は2026年時点の情報のため、実際の申請にあたっては必ず各補助金の最新の公募要領をご確認ください。
IT導入補助金でホームページは作れますか?
正直にお伝えすると、企業情報やサービス紹介を載せる「ホームページ本体」は、原則としてIT導入補助金の対象外です。IT導入補助金は、業務効率化や売上向上につながるITツール(ソフトウェア)の導入を支援する制度で、登録された対象ツールが補助の前提になります。予約システムやEC機能など、対象ツールに該当する範囲なら関連経費が対象になる余地はありますが、コーポレートサイトや会社案内のページをそのまま作る費用は対象になりません。ホームページ制作費を補助したいなら、小規模事業者持続化補助金や自治体のホームページ補助を検討するのが現実的です(2026年時点。最新は公募要領を確認)。
個人事業主でも補助金は使えますか?
はい、使えます。小規模事業者持続化補助金は、まさに小規模事業者(個人事業主を含む)を主な対象とした制度で、フリーランス・一人社長の方の申請も一般的です。自治体のホームページ補助も、多くは市区町村内で事業を営む個人事業主を対象に含めています。「法人でないと無理」と思い込んで申請を諦めてしまう方がいますが、それは誤解です。ただし、開業届の有無や事業実態など、補助金ごとに要件が定められているため、最新の公募要領で対象者の条件を確認してください(2026年時点)。
補助金はいくらもらえますか?
補助金は「かかった費用の全額」ではなく、補助対象経費に対して定められた補助率と上限額の範囲で支給されます。例えば小規模事業者持続化補助金の通常枠は、補助率が原則3分の2、補助上限が50万円といった水準で設計されています(枠や年度により変動)。自治体のホームページ補助は、補助率2分の1・上限10万円〜数十万円といった規模が多く、自治体ごとに大きく異なります。「実質ほぼ無料」といった表現は誤りで、必ず自己負担が発生します。正確な補助率・上限額は、申請しようとする補助金のその年の公募要領で確認してください(2026年時点)。
補助金申請の注意点は?
最大の注意点は、ほとんどの補助金が「事前申請が原則」で、採択(交付決定)前に発注・契約・支払いをした費用は対象外になることです。「先にホームページを作ってから後で補助金を申請しよう」という順番では、補助を受けられません。また補助金は後払い(精算払い)が基本で、いったん全額を自己負担で立て替え、実績報告の後に振り込まれます。そして審査で重視されるのは、ホームページで何を達成し、どう売上・販路につながるのかという事業計画との整合です。私は審査側にいた立場から、ここが採択の分かれ目だと考えています。詳しい流れは関連記事「補助金の採択とは」も参照してください(2026年時点。最新は公募要領を確認)。
まとめ
- ホームページ制作費は補助金で抑えられる。主な入口は小規模事業者持続化補助金(補助率3分の2・上限50万円程度)と自治体のホームページ補助(補助率2分の1・上限10万円〜数十万円程度)
- IT導入補助金は「生産性向上ツールの導入」が趣旨でHP制作は対象外。補助金は制度の趣旨と申請が合っているかで対象が決まる
- 事前申請が原則・後払いが基本・事業計画との整合が採択の鍵。採択前の発注は対象外
- 補助金は自己負担が必ず発生する。AIで安く作る制作と組み合わせると負担を抑えやすい
補助金は、正しく使えばホームページ制作の費用負担を確実に軽くできる制度です。一方で、対象範囲の誤解や手続きの順番一つで、受けられるはずの補助を逃してしまう繊細さもあります。「自社のケースで使える補助金はどれか」「どう申請すれば通る計画になるか」を整理したい方は、まずは無料相談で、補助金活用とホームページ制作の両面から進め方を一緒に整理するところから始めてみてください。
