ひとことで言うと

競合調査 × AI =

観点は人が決め、公式サイトを読んで整理するのはAI

結論から言うと、競合調査をAIでまとめるコツは「比較する観点を人が決め、各社の公式サイトを読んで表に整理するまでをAIに任せ、判断に効く数字だけ人が裏取りする」という役割分担です。私たち Techt も自社サービスの競合比較をこの形で回しています。観点の作り方と落とし穴までお伝えします。

市場調査との違いと、AIとの分担

市場調査が「この市場に商売はあるか」を統計で確かめるマクロの調査だとすれば、競合調査は「目の前の数社と、どう差をつけるか」を決めるミクロの調査です。成果物も違います。市場調査は意思決定のためのレポートで一度きり、競合調査は値付けや見せ方を変えるたびに見直す、更新し続ける比較表です。

AIとの分担の型は市場調査と同じで、集めて整理するのはAI、出どころの確認と判断は人。確認する一次情報が統計ではなく各社の公式サイトになり、料金・プラン・サービス内容は変わり続けるので、「いつ時点の情報か」を残すことが大事になります。

ここで大事なコツが1つ。AIに記憶で答えさせないでください。「◯◯社の料金は?」と聞くと、AIは学習した時点の古い情報で答えることがあります。そうではなく、「実際にWeb検索をして、いまの情報を調べて」と頼む。Claude CodeはWeb検索も、見つけたページを開いて読むことも、その場で自分でできます。この頼み方なら情報は現時点のものになります。

観点の作り方

競合分析で最初につまずくのが「何を比べればいいのか分からない」です。観点が決まっていないまま情報を集めると、各社のホームページを眺めて時間だけが過ぎます。

まずは「価格」「強み」「客層」「チャネル」の4つから始めてください。小さな会社の競合比較なら、この4つでたいてい判断材料がそろいます。

観点見るもの答えたい問い
価格料金体系・価格帯・何が含まれるか自分は高いのか安いのか。何と比べられているか
強み各社が一番大きく打ち出している売り文句他社が言っていて自分が言えていないことは何か
客層事例・お客様の声に出てくる客の業種・規模同じお客様を取り合っているのは実はどこか
チャネル売り方・届け方(HP・SNS・紹介・店舗・広告)お客様はどの入口で競合と出会っているか

観点づくりのコツは、「自分が知りたい問い」から逆算することです(問いの立て方は良い問いの立て方で解説しています)。「値上げしても選ばれるか」を知りたいなら価格と強みを厚く、「SNSを始めるべきか」ならチャネルを厚く。AIに観点の候補を出させて広げ、そこから3〜5個に絞るのは人の仕事です。増やしすぎると表を埋めること自体が目的になります。

競合調査の4つの観点を示す図。価格、強み、客層、チャネルの4つのボックスが並び、この観点で各社の情報を比較表に整理する流れを表している

比較表を作る5ステップ

競合調査は一度きりではなく定期的に見直すものです。Claude Codeなら観点や比較表をファイルとして保存し、あとから更新し続けられるので、この性質に向いています。当社の流れは次の5ステップです。

1. 市場調査の結果と、自社の情報・知りたい問いを渡す

競合調査は市場調査の続きです。市場調査で分かったこと(市場の規模・主なプレイヤー・どこに商売がありそうか)をインプットとして先に渡してください。この背景がないまま比較表だけ作ると、観点も結論もずれます。あわせて、自分の事業の内容(何を・誰に・いくらで売っているか)と、この調査で答えを出したい問いを伝えます。仕事場に市場調査のメモを残してあれば、AIが自分で読みます。

2. 観点の候補を出させて、3〜5個に絞る

「この事業の競合を比較する観点の候補を挙げてください」と頼み、出てきた候補から前の章の要領で3〜5個を選びます。迷ったら価格・強み・客層・チャネルの4つで始めて、あとから足せば十分です。

3. Web検索で競合を洗い出し、公式サイトを読ませる

比較する競合は3〜5社に絞ります。市場調査で主なプレイヤーは見えているはずなので、足りなければ「◯◯地域で△△を提供している会社を、実際にWeb検索して挙げて」と洗い出しから頼みます。

社名が決まったら、「各社の公式サイトと料金ページを実際に開いて読み、観点ごとに整理して」と頼みます。記憶で答えさせず、いまの検索結果と現物のページを読ませる。これが古い情報を混ぜない一番のコツです。

4. 観点×競合の比較表に整理させる

「読んだ内容を、観点を行・会社を列にした比較表にまとめて。各欄に情報の出どころ(ページのURL)と確認日も入れて」と頼みます。競合の料金やサービスは変わるので、いつ時点の情報かが分かる表にしておくと、次の見直しが楽になります。

5. 人が裏取りして「だからどうする」を1行書く

判断に効く数字(料金・プランの内容)だけは、人がリンクを開いて自分の目で確かめます。裏取りできなかった欄は空欄のまま。埋まっていることより正しいことが大事です。最後に、表を見て気づいたこと(「価格では勝負していない」「この客層は取り合いになっていない」など)を自分の言葉で1行書けば、比較表が「作って終わり」でなく判断の材料になります。

この流れで、当社は新しい教育事業への参入を決めました。競合を観点ごとに並べていくと、個人事業主にマンツーマンで伴走するAI支援は、ほぼ空白だと分かったのです。

「強い競合がいるか」ではなく「取り合いになっていない席はどこか」が見えたことが、参入を決める最後の一押しになりました。

仕事場を作ってあると、この一言になります
「この3社の競合表、うちのサービス資料と比べて作って」
前提や材料を毎回書かなくても、AIが仕事場の中から自分で確認します。仕事場のつくり方はAIを秘書にするで解説しています。
裏取りを省いてはいけない理由
ページを読ませる形にしても、AIが読み違えたり、キャンペーン価格を通常価格と取り違えたりすることはあります。裏取りせずに価格改定や打ち出しの変更を決めると、間違った前提で事業の判断をすることになります。
判断に効く数字だけは人がリンクを開いて確かめる。この線だけは崩さないでください。

つまずきやすいポイント3つ

実際にやってみた人がつまずきやすいのは、次の3つです。

観点が多すぎて表が埋まらない

10個も観点を立てると、調べても埋まらない欄だらけになり、途中でやめてしまいます。3〜5個に絞り、埋まらない観点は思い切って削ってください。

AIの答えをそのまま表に貼ってしまう

一見それらしい表ほど危険です。「確認日」欄を必ず作り、人が公式サイトを見た日付が入っていない行は未確認と分かるようにしておくと、貼りっぱなしを防げます。

比較表を作って満足してしまう

表は材料であって成果物ではありません。「だからうちは何を変えるか・変えないか」を1行書くところまでがワンセットです。判断につながらない調査は、時間をかけるほど損になります。

まとめ

  • 競合調査は市場調査の続き。市場調査の結果をインプットに渡してから始めないと、観点も結論もずれる
  • 役割分担は「観点は人が決める・Web検索して表にするのはAI・判断に効く数字の裏取りは人」。観点はまず価格・強み・客層・チャネルの4つ、知りたい問いから逆算して3〜5個に絞る
  • 比較する競合も3〜5社から。網羅より、実際にお客様を取り合っている数社を深く見る
  • AIに記憶で答えさせない。「実際にWeb検索して、いまの情報を調べて」と頼み、出どころと確認日を表に残す
  • 表を作って終わりにせず、「だからどうする」を1行書くところまでがワンセット

よくある質問

Q.競合調査はAIでできますか?

できます。市場調査の結果と自社の情報を渡し、比較する観点を人が決めたら、「各社を実際にWeb検索して、公式サイトと料金ページを読んで比較表にまとめて」と頼めば、集めて整理するまでAIがやります。コツはAIに記憶で答えさせないこと。学習時点の古い情報で答えることがあるため、必ずいまの検索結果と現物のページを読ませます。私たちTechtも競合比較をこの形で回し、料金など判断に効く数字だけは人がリンクを開いて確認してから使っています。

Q.市場調査と競合調査は何が違いますか?

市場調査は「この市場に商売はあるか」を統計や市場規模で確かめるマクロの調査、競合調査は「目の前の数社と、どう差をつけるか」を決めるミクロの調査です。成果物も違い、市場調査は意思決定のための一度きりのレポート、競合調査は値付けや見せ方を変えるたびに見直す、更新し続ける比較表です。順番としては、市場に商売があると分かってから競合調査で自分の立ち位置を決めるのが自然です。私たちTechtも新規事業の検討で、市場の需要を確かめたあとに競合を観点ごとに並べ、取り合いになっていない席を見つけて参入を決めました。

競合調査は、観点さえ決まれば大がかりな仕事ではありません。観点を4つ決めて、「競合3社をWeb検索で調べて表にして」とClaude Codeに頼む。まずはこの小さな1枚から始めてみてください。

学習コース:調べ物・リサーチ・企画を任せたい

この順で読むとスムーズです(全5ステップ)。

  1. Claude Codeの始め方またはCodexの始め方どちらか一方でOK
  2. 企画たたき台
  3. AI壁打ち
  4. 市場調査
  5. 5競合調査いま読んでいる記事
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