結論から言うと、FAQ(よくある質問)は「ありそうな質問を頭で考えて書く」のではなく、実際に届いた質問を集めて、分類し、Q&Aの形に整えるのが正しい作り方です。
私たち Techt は、自社ホームページに届く実際の問い合わせ履歴を Claude Code(クロードコード)という「作業するAI」で整理し、FAQ づくりに使っている会社です。だからこそ、テンプレートを配って終わりではなく「本物の質問をどう集めて、AIにどこまで任せて、人が何を確認するか」という実際の手順までお伝えできます。
この記事は、エンジニアではない経営者・個人事業主の方に向けて、サイト掲載用・LINE応答用の質問集を作る手順を2026年7月時点の情報で整理したものです。順番に読めば、自分の商売のFAQ第1版が作れます。
集めて整えるのが基本
FAQ作成でいちばん多い失敗は、机の上で「お客様はこういうことを聞きたいはずだ」と想像して質問を並べてしまうことです。想像で作った質問は、実際のお客様の聞き方と言葉づかいがずれるため、読まれず、問い合わせも減りません。
良いFAQの条件はシンプルで、「実際によくある質問」でできていることです。材料は、すでにあなたの手元にあります。
問い合わせフォーム・メールの履歴
文章で残っているので、そのまま材料になります。
LINE公式アカウントのトーク履歴
お客様の生の言葉づかいが分かります。
電話や店頭で聞かれたことのメモ
残っていなければ、今日から1行ずつメモを始めてください。
商談・打ち合わせで毎回説明していること
毎回同じ説明をしているなら、それはFAQの有力候補です。
Techtも、この方法で自社のFAQを作っています。ホームページ経由の問い合わせ履歴をClaude Codeに渡して「繰り返し聞かれている質問」を洗い出す。ここから始めると、質問文を1つも発明する必要がありません。
この作り方は、お客様のホームページ制作でも同じように使っています。ある案件では、ヒアリングで伺った内容と実際の問い合わせの傾向から質問を洗い出し、「よくある質問」ページとして納品しました。
質問を頭で発明しなくても、材料を集めて整理すれば、載せるべき質問は十分にそろいます。自社でもお客様の商売でも、この手順は同じでした。
FAQを作る4ステップ
Claude Codeの基本は「Claude Codeとは」で紹介しました。手元のファイル(メールの履歴やメモ)をそのまま読ませて整理を任せられるので、「材料はたくさんあるが、整理する時間がない」というFAQづくりと相性が良いのです。
実際の流れは次の4ステップです。まだ触ったことがない方は、Claude Codeの始め方を先に読んでみてください。

1. 実際の質問を集めて、そのまま渡す
材料は、問い合わせメールの文面、LINEのトーク履歴、電話メモなどです。仕事場のフォルダに問い合わせのメモや履歴が溜まっていれば、集める工程ごとAIに任せられます。
まだなければ、1つのフォルダやファイルにまとめてClaude Codeに渡すところから始めます。ここで大事なのは、きれいに整理してから渡そうとしないことです。整理こそAIに任せる仕事なので、材料は雑多なままで構いません。
個人名や連絡先など、お客様の個人情報は渡す前に消しておくと安心です。
2. 分類と重複の整理をAIに任せる
「この問い合わせ履歴から、繰り返し聞かれている質問をテーマごとに分類してください」と頼みます。料金のこと、納期のこと、対応範囲のことという具合に、質問がテーマ別にグループ化され、同じ趣旨の質問がまとまります。「何件ずつあったか」も数えてもらうと、どの質問をFAQの上位に置くべきかが件数で判断できます。
3. Q&Aの形に整える
分類ができたら、「各グループを、質問1つ+回答1つのQ&A形式にしてください。回答は結論を1文目に」と頼んで、FAQの下書きにします。このとき、回答の材料になる情報(料金表、サービス説明、営業時間など)もファイルで渡しておくのがコツです。材料を渡さずに書かせると、AIがもっともらしく穴埋めした回答になり、次のステップの確認が大変になります。
4. 人が事実確認をして公開する
下書きができたら、回答の中の事実(料金、日数、条件、対応範囲)を一つずつ人の目で確認してから、ホームページやLINEに載せます。ここは省略できない工程です。FAQはお客様との約束として読まれる文章なので、間違った回答を公開すると、問い合わせ削減どころかトラブルの元になります。
なお、ホームページを自分で運用する構成にしていれば、確認したあとの掲載までAIに任せられます。
載せる場所で書き分ける
同じQ&Aでも、載せる場所によって読みやすい形が違います。おすすめは、元になるQ&Aの一覧(台帳)を1つ作り、そこからAIに出し分けてもらう方法です。台帳が1つなら、料金改定などの変更も1か所直して各媒体に反映するだけで済みます。
| 載せる場所 | 回答の長さの目安 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| ホームページのFAQページ | 3〜6文 | 検索から来る人も読む。質問文は実際に聞かれる言い回しに合わせ、結論を1文目に書く |
| LINEの自動応答・リッチメニュー | 2〜3行 | スマホの画面で読む前提。要点だけ短く答え、詳細はサイトのリンクで案内する |
| 商談前に送る資料・営業メール | 必要な数問だけ抜粋 | 相手の検討段階に合わせて選ぶ。全部載せず「よく聞かれる3点」などに絞る |
台帳からの出し分けは、Claude Codeに「この一覧をLINE自動応答用に、各回答2〜3行に要約してください」と頼むだけです。手で3種類を別々に管理するより、ずれも手間も減ります。
AIと人の分担
ここまでの手順で分かるとおり、FAQづくりも「下書きはAI、確認は人」という「問い合わせ対応をAIで」の記事と同じ分担です。FAQ固有の線引きを整理しておきます。
AIに任せてよい
質問の分類・件数の集計、重複の整理、Q&A形式への文章化、媒体別の要約・出し分け。
人が必ずやる
材料(履歴・料金表など)を渡す、個人情報を除く、回答の事実確認、公開の判断。
FAQづくりの2つの落とし穴
材料が少ないままAIに頼むと、一般論のもっともらしい質問集ができあがりますが、あなたのお客様が実際に聞くこととはずれます。材料が少ないなら、少ない質問数で公開して育てるほうが健全です。
料金・納期・キャンセル条件などの回答は、お客様との約束になります。AIが古い資料や推測で書いた数字をそのまま公開しないよう、お金と条件に関わる回答は必ず人が原本と突き合わせてください。
FAQの育て方
FAQは一度作って終わりの文書ではなく、問い合わせが来るたびに育てる文書です。運用はシンプルで、次の2つだけです。
新しい質問が来たら追記する
FAQに載っていない質問が2〜3回続いたら、それは新しい「よくある質問」。台帳に1問足して、サイトとLINEに反映します。
事実が変わったら直す
料金や営業時間を変えたら、その日のうちに台帳を直します。台帳が1つになっていれば、直し漏れが起きにくくなります。
Techtでは、この「履歴を見て追記する」作業も定期的にClaude Codeと一緒にやっています。問い合わせ履歴を読み直して「FAQでカバーできていない質問」を挙げてもらうと、追記の候補が短時間で出そろいます。
まとめ
- FAQは「ありそうな質問」を考えるのではなく、実際に届いた質問を集めて整えるのが基本
- 手順は4つ:実際の質問を集める→AIで分類する→Q&Aに整える→人が事実確認して公開する
- 材料(履歴・料金表)は人が渡す。個人情報は渡す前に除く
- Q&Aの台帳を1つ作り、サイト用・LINE用はAIに出し分けてもらうと、ずれと手間が減る
- お金・日時・条件の回答は必ず人が原本と突き合わせる。公開後も問い合わせを見て追記して育てる
よくある質問
Q.FAQ・よくある質問は何問くらい用意すればいいですか?
最初は5〜10問で十分です。数を増やすより、実際に何度も聞かれている質問に絞るほうが読まれます。多すぎるとお客様が目当ての答えを探しにくくなり、かえって役に立ちません。Techtでも、問い合わせ履歴の中で繰り返し出てくる質問だけをFAQにして、新しい質問が実際に届いたら1問ずつ足す運用にしています。「ありそうだから」で水増しした質問は答えも薄くなりがちなので、入れないほうがよいです。
Q.問い合わせがまだ少なく、集める質問がありません。どう作ればいいですか?
実際の質問が少ないうちは、商談・店頭・電話で口頭で聞かれたことをメモして材料にするのが現実的です。それでも足りなければ、同業他社のFAQを参考に「自分の商売でも本当に聞かれそうか」を1問ずつ自分で判断して選びます。AIに「この業種のFAQを作って」とだけ頼むと一般論の質問集はできますが、実際のお客様の聞き方とずれることがあります。少数でも本物の質問を核にして、育てていく前提で始めるのがおすすめです。
Q.サイト用とLINE用でFAQの書き方は変えるべきですか?
変えるべきです。サイトのFAQページは検索から来る人も読むため、質問文は実際に聞かれる言い回しに合わせ、回答もある程度丁寧に書けます。一方、LINEの自動応答やリッチメニューは画面が小さいので、回答は2〜3行に要約し、詳細はサイトへのリンクで案内する形が読みやすいです。元になるQ&Aの一覧を1つ作っておき、AIに「LINE用に短くして」と頼んで出し分けると、媒体ごとに内容がずれるのを防げます。
問い合わせ履歴を集めて、分類と文章化をAIに任せ、事実を確認して公開する。
この順番で進めれば大丈夫です。
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